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Mukai side
結局、譲り合って何も変わらんから、
向「なら、せーので言おうや」
「うん、そうしよ」
向「…せーの、」
向「「あの時はごめん」」
俺は驚いて、下を向いていた顔を上げた。
「…うん、そのね、ごめん」
向「いや、あん時は俺が悪かった」
「あの時さ、おれちょっと色々とあって康二に当たっちゃった」
俺はまたAに驚いた。
向「…康二。」
「ん？ なぁに？」
向「いや、なんもない、」
聞いてくるAに対してそう笑って誤魔化す
康二…。
全然おかしいことやないし、ええねんけどなんか寂しい
けど、目の前のAを見るとそれがAにとっての最善の方法やったのかもしれん。
そう思った。
いや、思わせた。
「ねぇ、康二手出して？」
俺が1人で格闘しているとAが手をぐーにして目の前に出してきた。
俺はAに従って手を出すとカシャという機械音が聞こえた。
「ん、おけ」
向「写真撮ったん？ え、なんで？」
「んふ、内緒」
そう言ったAは少しスマホを弄ると、
「これで少しは変わるといいけど…｡」
そう小さい声で呟いた。
「康二、あの記事読んだでしょ。」
向「え、？」
「おれらが不仲だ〜ってやつ。」
向「おん、まぁ…」
「だから、それを変えるためにちょっとだけね、？」
そうイタズラに笑った。
「これで、仲直りでいい、？」
向「…ふははっ、なんやねんこの仲直りの仕方」
「やって、仲直りってどやってすればいいか分からへんもん」
向「確かになぁ、」
そう言って笑うと自然と俺らは手を強く固く結んだ。
決して離れないように…。
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作者名：suger | 作成日時：2022年2月19日 12時
