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岩「目、閉じてていいからね」
周りが静かになった。
きっと楽屋に入ったのだろう。
視界がやっと明るさを取り戻してきて、
逆にそれが眩しくなって目を細める。
それを察したのか、
岩永さんは布らしきものを目の上に当ててくれた。
「阿部ちゃん、どう？」
この声はカズレーザーさんの声だ。
乗せてもらっていた布を少しずつずらしながら、
起き上がる。
「あーあー
いいって、ごめん気遣わせちゃったね」
優しい表情でこちらを見ていて、
起き上がった俺をやさしく寝かせ直してくれる。
「さっきも言ったけど、
ちゃんと病院行きなよ？」
「はい、
今日ので懲りました」
カズレーザーさんは頭を優しく撫でてくれて、
「お大事に」と部屋を出ていった。
岩「動けそう？」
「はい、もう大分楽になりました」
とはいえ、気分は優れない。
岩「帰りどうする？」
ソファーの上で体育座りをしながら、
働かない頭を動かす。
流石に一人で電車に乗って帰る元気はない。
タクシーを呼ぶしかないか、
とスマホに手を伸ばすと、
照から連絡が来ていた。
『今日暇？飯どう？』
そう言えば昨日、
今日のスケジュールを聞かれていた。
「ごめん今日体調悪いからまた今度。」
そう連絡すると、
折返し電話がかかってきた。
様子を見ていてくれて
まだ衣装のままの岩永さんを着替えてくるように促して、
電話に出る。
iw『もしもし、大丈夫か？』
「うん、貧血っぽくて。
…収録中やらかしたわ」
iw『まじかよ。平気か？
車出せるけど？』
「…本当？
タクシーで帰ろうと思ってたんだけど、
…頼んでも良い？」
いまタクシーに乗ったら酔う自信があった。
照に甘えると、二つ返事で引き受けてくれた。
これで岩永さんにも迷惑かけずに帰れそうだ。
電話を切って自分も着替え始める。
動くとやっぱり気分は悪くなっていって、
私服に着替えるのも一苦労だった。
岩「入るよー」
岩永さんが戻ってきた。
照も迎えに来てくれるし、
安心して帰ってもらおうと思っていたのに、
そんな余裕はない。
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葡萄 - 続き楽しみにしてます!応援してます! (2021年10月1日 7時) (
レス) id: 3255ffb603 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - 初めましてすばるです。お話大好きです。haryuさんの学園のお話を読みたいのでパスワード教えて欲しいです。 (2021年3月12日 19時) (レス) id: 520852b95c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月8日 0時
