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くたっと稽古場の隅に座っていた阿部ちゃんは、
佐久間くんと何やら話しているみたいだ。
「みんなごめん、途中で抜けちゃって。
全然大丈夫なんだけど、ダメになる前に抜けた」
足早にあべちゃんのもとに走った俺とは対照的に、岩本くんをはじめ、しょっぴーもだてさんもふっかさんも冷静である。
「めめも康二もラウも心配しすぎな！阿部ちゃんの方見過ぎ！」
ふっかさんに言われて文句を言いそうになったけれど、他の５人もケロリとしているので何も言い返せなくなる。
「まぁあんまりこういうこともないし、
しょうがないよ！」
佐久間くんも1番に抜けた割には平気な顔をしている。
「みんな冷静やなぁ」
「冷静っていうか、わかってるからっていうか。
阿部ちゃんは自分がぶっ倒れる前にこうするだろうなって思ってたから」
「ある意味、信頼してるってことかも」
しょっぴーとだてさんは自分の飲み水を片手に当たり前のように言った。
阿部ちゃんもその言葉を聞いて、あはは、と笑う。
「まぁ、心配してないわけじゃねーけど」
岩本くんが阿部ちゃんの頭をガシっと撫でる。
イテッという小さな悲鳴に佐久間くんがガハハと豪快に笑った。
「でも、無理はするなって言ったのに途中抜けするまで我慢するのはよくないから。大丈夫とか言ってヘラヘラしてるけど、本当は違うでしょ」
ふっかさんがあべちゃんに視線を合わせるようにしゃがんで子供をあやすように言う。
「ごめん、ちょっと頑張り過ぎた」
「はい。じゃあ少し寝てな」
阿部ちゃんはそう言われると大人しく横になって目を閉じた。
そしてその瞬間に5人が心から心配している顔が見える。
「なんか、いいね」
阿部ちゃんから少し距離をとってからラウールが言った。
「だな」
何がとかじゃなくて、6人の信頼関係が。
俺たちの知らない6人の絆はきっとまだまだたくさんあって、でも俺たち3人がそれを知らないことに背徳感とかは一切無い。
それを感じさせない優しい空気がずっと流れている。
「あべちゃん、大丈夫かなぁ」
きっと、全てが元通りとなるのにはまだしばらく時間がかかるだろう。
それでも、
「大丈夫だよ。だって、俺らがいるじゃん」
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葡萄 - 続き楽しみにしてます!応援してます! (2021年10月1日 7時) (
レス) id: 3255ffb603 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - 初めましてすばるです。お話大好きです。haryuさんの学園のお話を読みたいのでパスワード教えて欲しいです。 (2021年3月12日 19時) (レス) id: 520852b95c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月8日 0時
