6.信頼 ページ19
※今回の感染にに関する内容です。苦手な方はご遠慮ください。
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細い腰を確かめるように手を添えると、
阿部ちゃんは驚いたような顔をして俺を見た。
「どうしたの？」
どうしたも何も、である。
しばらく会えなかった彼は休んでいる間にもまた少し痩せて、触れた腰回りはさらに薄さを増している。
「心配だった」
具体的に何が心配だったのかとか、
この期間俺がどう過ごしていたかとか、
どれだけ苦しかったとか、
その一つ一つを彼に教えたらキリがないだろう。
どんな理由であれ彼と会うことが許されなかった約2週間、その前から仕事の関係で会えていなかった時間を含めると相当な時間会えていないことになる。
「ほんとごめん」
彼を心配して毎日グループチャットは動いていたし、彼もほとんど毎日返信をくれた。
症状がピークに出ていた時も自分が今どんな状態なのか、ちゃんと寝ていろと言いたくなるくらいには丁寧な連絡があった。
症状を知るのも辛かった。
でも、何も知らずにいることはもっと辛い。
阿部ちゃんはこの期に及んでもファンのことをしきりに心配していて、だからこそブログが回ってきていたメンバーたちはそれを発信してくれていたわけだけど。
「ちゃんと食べてる？」
「食べてはいるよ。だけどなかなか戻らなくて、色々とね」
コンサートのリハーサルから復帰した彼が療養中から心配していたことが現実になりつつあった。
療養中、症状も出ていた彼は無理に動くこともできず、体力は少なからず落ちている。
そのことに彼自身が1番焦っているようだった。
検査は陰性にはなった。
ただ一度落ちた体重も体力も、簡単に戻るわけでもない。動けばすぐに息が切れるし、時折残っているらしい苦しそうな咳をした。
後遺症と呼ぶには大袈裟と彼はいうが無理をすると気持ち悪くなって調子を崩してしまう。
「無理はしないで。本当に」
「わかってるって」
その細くなったら身体を隠すように新しいレッスン着に身を包んだ阿部ちゃんはそう言って笑ってみせる。
首筋の骨が浮き出ていた。
俺のその視線を察したのか、彼は首元に手を添えて「少し寒くない？」と軽い調子で言う。
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葡萄 - 続き楽しみにしてます!応援してます! (2021年10月1日 7時) (
レス) id: 3255ffb603 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - 初めましてすばるです。お話大好きです。haryuさんの学園のお話を読みたいのでパスワード教えて欲しいです。 (2021年3月12日 19時) (レス) id: 520852b95c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月8日 0時
