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October _2 ページ47

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ハロウィンまであと一週間。

校内は恐ろしいほどハロウィン一色に染まり切っていた。
もはや置くところがないんじゃないかってくらい、至るところにカボチャだ黒猫だ蝙蝠だと、ポップなんだか、おどろおどろしいんだか、統一性のない置き物やら飾り付けで埋め尽くされている。

「阿部ちゃんから見て、これどう思います?」
「まあ、やりすぎだよね」
「やっぱりそうなんだ」

ここスリザリンの談話室も例外ではなく、普段から薄暗い室内は、本物のゴーストハウスのような見た目に様変わりしていた。
校内で「ハロウィンなんて」とクールぶっている反動なのか、スリザリンの連中は身内しかいないこの空間では素直になるらしい。
めめからそんな風に聞かされ、ちょっとだけこの寮の生徒のことを可愛いな、と思ってしまった。


校長を筆頭に、この学校の人々が異様なまでにイベントに熱を入れているというのが良く分かった。
ある程度の覚悟していたものの、その想像を遥かに超えてくるテンションに、入学一年目の俺もふっかも身の置き場が分からない。
ハロウィンでこんなに盛り上がるのだから、きっとクリスマスなんてとんでもないことになるんだろうな。

マグル出身の康二やラウールが言うには「一年目でドン引きして、二年目からは楽しくなる」とのことだが、果たしてそう思えるかどうかは疑問だ。


そしてまさか、各授業にもハロウィンの影響があるとは。
もちろん『お堅い』と揶揄される上級魔法薬学の授業にも、だ。


「今日は過去の復習も兼ねて実習を行います」

特別仕様の橙色のローブを纏った先生が、号令と共に目の前で杖を軽く振りかざすと、古びた棚に陳列してあった大釜やら木べらといった器具がわらわらと勝手に動き出した。
次にテーブルが動き、あっという間に実習用の配置に変わっていく。
それが落ち着くと植物の根っこやら、生き物の皮やら、実習に必要なものがあちこちから飛んできて、テーブルの上に規則正しく並べられた。
四つずつ、生徒同士が対面するように並べられたテーブルが二組。
先生から見て左側のグループには、俺とレイブンクローの六年生が三人。
右側のグループには佐久間をはじめ、残りの生徒三人が席に着く。

ちなみに佐久間は通路を挟み、俺の真横に座った。
なんでそこに、とは思ったが、同じグループにならなかっただけ良しとしよう。
ひとまずはほっと胸を撫で下ろし、気持ちを切り替えて目の前の実習もとい、実験に集中する。

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みな(プロフ) - はじめまして。面白いです。ホウキとか杖とかも出てくるんでしょうか?続き楽しみにしておきます。 (9月15日 6時) (レス) id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そらちね | 作成日時:2023年9月13日 14時

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