SnowMan/思い出 (ページ10)

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ドーム公演の練習ページ10

ラウール

「おっはよー！みんな！」(阿部、佐久間)
「佐久間やけに元気だね。」
「みんなのこと思い出したからね！」

佐久間くんがピンク髪をふわっと持ち上げながら言う。歌舞伎はもうちょっと先なのに黒髪にしてたから、より一層ピンクが明るく見える。記憶が少し戻ったことは昨日の夜阿部ちゃんから連絡があった。あざとい警察で思い出したらしいね。でも…なんで僕のことは思い出してくれないのさ。

「じゃあ、練習始めるよ。」
「佐久間さんには資料渡してあるからね。」
「もうほんとすごいよ！」

今日ここにいるのは、岩本くん、ふっかさん、俺、阿部ちゃん、佐久間くんだけ。特に心に残っている思い出しか分からないらしいから大変だよ。

「〜。歌詞に合わせて。」
「了解ピーマン！」

でも意外と体は覚えてるもんだね。こんな感じで5人で佐久間くんに教えていると、時間が。

「じゃ、ラウールと振付師さん、よろしく。」
「また家で！」
「俺勉強できないからね、間違ってもたずねるなよ」

そう。俺と佐久間くんのユニット曲。ただでさえ覚えるのに相当苦労したのに、佐久間くんはこれをもう1回覚えないといけない。俺を覚えていないから。

「ここはこうやってください。」
「んん…」
「佐久間くん、一回休も？」

いくら体が覚えているといっても、1カウントに20くらい振り付け入ってるからね。隣に座っている佐久間くんは、荒い息をしている。今日中に覚えられるのかな…？

「はあ…はあ…」
「佐久間くん…」

ただただ時間だけが過ぎていく。一体どうしたら…？