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大切な人 ページ12
ラウール
佐久間くんは、また意識をなくしてしまった。今なら、阿部ちゃんが言っていたことも分かる。
なんで、こうなってしまったの？
「ラウールさん、入りますよ。」
「…はい。」
「…人は、大切なものほど忘れやすいんです。」
「…」
「そして、佐久間さんの脳には傷が入ってしまっています。」
「つまり…？」
「記憶を辿ろうとすると、頭痛などの症状が起こります。あなたをもう思い出せないかもしれません。」
「…」
お医者さんはそれだけ言うと、部屋を出ていった。
「…うう」
「佐久間くん！？」
「君は…誰？」
酷くうなされているみたい。
「ラウール…」
「んっ！」
俺は佐久間くんに飛びついた。たとえ思い出せなくったって、新しく関係を作ってみせる。
だって、俺は君にとって、1番の{大切な人}なのだから。
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作者名：ジュン18797 | 作成日時：2023年7月8日 11時
