ars山コンビ(百人一首物語)OS (ページ5)

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奥山にページ5

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき
(おくやまにもみぢふみわけなくしかのこゑきくときぞあきはかなしき)

今日は5人全員が休みだったから、みんなで山にキャンプに来ている

俺的にはさとしくんと２人がよかったなぁー

なんて思うけど最近、5人でプライベートで遊ぶなんてことがなくなったから正直、嬉しい

雅「しょーちゃん！！見て見て！！」

いつも以上にテンションの高いまさきが腕を引っ張る

翔「ちょっ、まさき、どうし…、っ！」

まさきに言われて見たその[絶景]と呼ぶにふさわしい景色を見て俺は絶叫した

あまりにもその景色が悲し過ぎて

なんか俺の中で秋って悲しいイメージがあるんだよね、なにもかも散っていくイメージ

俺が見た景色は一面に積もった真っ赤な紅葉だった

自分でも気づかないうちに涙が流れてた

そして俺の涙を拭ってくれる、愛しの人

翔「ぐすっ、ありがとっ」

智「もう～、泣くなって」

そう言って頭を撫でてくれる

まさきは気を使ってくれたのかいなくなってて

さとしくんと２人でこの赤い景色を見て

そして、珍しいかもしれないけど俺から手を繋いだ

智「珍しいねー(笑)」

翔「う、うるさい///////」

さとしくんの綺麗な手がぎゅって聞こえるくらい握り返してくれる

それだけでさっきの悲しさなんて消えてて

翔「うわっ！！！」

俺たちの前に現れた鹿

鹿！？

智「しょーくん、ビビリ過ぎ(笑)」

翔「だって！びっくりしたもん！！」

ってか、なんでこの人全然ビビらないの！？

智「可愛いじゃん♪」

翔「そうかな？」

俺はあんまり大きな動物とか好きじゃなくて、ちょっと警戒したように鹿を見た

智「もっと、可愛いやつ見つけた」

そう言ってさとしくんが抱きついてくる

翔「もう、さとしくん///////」

俺も素直に受け入れる

その瞬間、俺たちの前で鹿が鳴いた

それだけで悲しさが倍増したようだった

翔「……」

智「おいらはこの鹿が悲しくて鳴いてるって思わないよ」

翔「え？」

智「おいらたちにお幸せにって言ってるんだよ」

翔「さとしくん…」

珍しく俺からさとしくんに抱きついた

智「今日のしょーくんは甘えん坊だ(笑)」