ars山コンビ(百人一首物語)OS (ページ17)

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ちはやふるページ17

ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは
(ちはやぶるかみよもきかずたつたがはからくれなゐにみづくくるとは)

紅い

ただそれだけだった

翔「紅いね」

横にいる彼もそう思ったようで

同じことを考えていることが嬉しくて

繋いでた手をさらにぎゅーっとした

智「綺麗だな」

翔「うん」

今日はたまたま２人ともオフで

部屋にいても、

暇だから散歩しようってことになって

近くの公園を散歩していた

そこで見た景色は

川を流れる紅葉だった

川を紅葉が流れるなんて普通のことで

珍しいなんて思う人はいないと思う

でも、おいらたちが見ているのは

ほんとに「紅」だった

川を真っ赤に染める紅葉

その綺麗な道がどこまでも続いてるようで

おいらたちは眺めることしかできなかった

翔「……」

翔くんは何故か悲しそうに俯いた

智「翔くん？どうしたの？」

おいらが尋ねると、翔くんは目に水分を貯め見つめてくる

翔「智くん…」

智「ん？」

翔「俺たちさ、後どのくらいこの景色を見れるのかな」

智「え？」

翔「俺たちが歳をとって、おじいちゃんになっても、２人でこの景色を見れるかな」

智「翔くん…」

智「翔くんってバカだな」

翔「え？」

ほんとにバカだ…

翔「バカって…俺は真剣にっ」

少し怒って反論しようとする翔くんの唇にキスをした

翔「さ、智くん！ここ外…//////」

智「関係ない」

そう言って、翔くんを抱きしめた

智「翔くん」

暫くして、翔くんの身体を離すと

おいらは翔くんと向き合った

翔「智くん？」

おいらは一生、翔くんと人生を共にしたい

その意味を込めて

指輪の入った箱を翔くんに渡した

智「おいら…、俺と結婚してください」

翔「っ！は、はい！」

またこの紅い景色を翔くんと見るんだ