ars山コンビ(百人一首物語)OS (ページ15)

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君がため(は) ページ15

君がため春の野にいでて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ
(きみがためはるののにいでてわかなつむわがころもでにゆきはふりつつ)

翔「さむいよー」

もう冬も過ぎて

春という新しい季節がきているにもかかわらず

なぜか雪が少し積もっていて

でも、こんな寒い中

スーパーへ買い物に行く

何故かというと、

前に智くんがカキフライ定食が好きと言っていたから

普段、智くんに任せきりな料理を俺が挑戦しようと思った

智くんに喜んで欲しくて

そして、いくら料理が壊滅的な俺でも

牡蠣を揚げるぐらいならできると

翔「…そう思ったんだけどなー」

揚げるどころか牡蠣をナイフで外すことさえ困難で、揚げても真っ黒になるし

自分の料理の出来なさに笑った

家に帰って、また最挑戦！！

牡蠣にナイフを向け、格闘していると

翔「いっ…」

どうミスしたのか自分でもわからないけど

指を切ってしまった

((ｶﾞﾁｬｯ

そして、タイミングが良いのか悪いのか

あなたが帰ってくる

智「ただいっ、翔くん！？」

それからの智くんは素晴らしい動きで

救急箱を取って、すぐに消毒と絆創膏を済ませた

智「翔くん、これどうゆうこと？」

翔「あ、料理に失敗しまして…」

俺が苦笑いしてると

智くんは怒った顔をした

智「なんでこんな危ないことするんだよ！」

そう言って、智くんは怒った

あなたに怒られたのは初めてで

びっくりしたのと、ショックで

自然と涙が流れた

((ｷﾞｭｯ

智「ごめんね、大きな声出して」

翔「っ、だい、じょぶっ」

それから俺が泣き止むまで

ずっと、優しくぎゅってしてくれた

智「なんで料理したの？」

泣き止んだ俺に優しく聞いてくる智くん

翔「智くんにカキフライ作ってあげたくて…」

正直に言うと、智くんはふっと笑って

智「ありがとな、でも次からは一緒に作ろうな」

そう優しく言った

翔「智くん」

智「ん？」

翔「おかえりなさい」