皇帝の姉、超絶強かった【ブルーロック】

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「失礼します」


何かやらかしたのかとビクビクしながらノアのいるマスタールームの扉を開けると。



「……絵心さんは分かるけどなんでラファエラさんがいるんですか」



さっきまでトレーニングルームで指示を出していたのはラファエラだったはず。



心からの疑問を呟けば、眉を顰めて足を組み直すラファエラ。


「あら、いては悪いかしら？」

「いや、そういうわけじゃ……」


返答に困っている潔を助けたのは意外にもノアだった。


「こら
　若いのをいじめるんじゃない」


「失礼ね、私も若いわよ
　世一、私何歳に見える？」


唐突に質問されても。その言葉は思いっきり飲み下し考えるそぶりを見せる。


「え……28？」


「刻んだわね、惜しくもないし」


「ラファ、本来の目的を忘れるなよ」


「うるさい舅ね
　で、何歳だと思う？」



あのノアに軽く暴言を吐き、なおも食い下がる。



「……25」


「惜しいわね、24よ
　で、なんの話だったっけ？」


「潔を呼べと言ったのはお前だろう
　全く何を考えているんだお前は」


痺れを切らした様子の絵心がネチネチとした口調で問い詰める。


「いいじゃない
　うちのチームメイトみんなオジサンなんだもの
　ねえノア」


さらりと言ってのけ、涼しい顔で椅子の背もたれに寄りかかる。

そんななんでもない行動でさえ綺麗に見えてしまうのだから末恐ろしい。



「それで……話って、なんですか」


「ああ、こいつがお前に提案をしたいそうだ」


親指でラファエラの方を示しながらノアが言う。

そういえばさっき絵心がそんなことを言っていたような。


しかし、あの“バスタード･ミュンヘンの女帝”が俺に用なんかあるのか？


素朴すぎる疑問を抱きつつラファエラの方へ向き直る。


やがてラファエラがその口を開いた。


「世一」


「はい」


「あなたにミヒャの後釜になってほしいの」


「……はい？」


危うく後釜という言葉の意味を見失うところだった。



「絵心さん、後釜って前任者が退いた時変わって地位につくあれですよね」


「辞書を使うな」


「……俺が、カイザーの、後釜？」


一体どういうことだ。そもそもカイザーはまだ現役どころか、将来有望な選手なんじゃないのか。



「まあいいわ
　絵心、世一借りるわね」


「勝手にしろ」

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