6 ページ6
翌朝。
「おっはよー
ほらみんな、そんな死んだ魚みたいな顔してないで早く練習するわよ」
「なんであの人あんなハイテンションなんだ……」
「そもそも何のために来たのかまだ分からんのになぁ」
「それな」
なぜかものすごく高いテンションで練習フィールドに入ってきたラファエラは、てきぱきと指示を飛ばしていく。
その指示は昨夜の黒名の見解通り、まるでサッカーを教えに来ているかのような的確さだった。
「まだまだ腕と足がほっそいね
まず基礎体力と筋力を付けようか」
「とりあえず今日のところは様子見でシャトルランと筋トレメニューやるか」
「死にたくなかったら水分と塩分は摂りなさいよ」
「走ったあと急に止まらないの！死ぬよ！」
口調はまだしも、口が悪いのは確かである。やはり姉弟なのか…とその場の誰もが納得する中、その弟が扉を乱暴に開けて入ってきた。
「おいクソ姉貴
なんでお前が指示を出しているんだ」
「“クソ”は余計だわ、愚弟
ノアが絵心に呼び出されたから代わりにやってるのよ、文句があればノアに言いなさい」
「お前も大概だろう、愚弟などど言いやがって」
「まあまあ2人とも落ち着きましょ」
すぐ喧嘩を始める姉弟をにこやかに宥めるネス。
その横で置いてきぼりにされた青い監獄メンバーたちは、必然的に小さく固まってヒソヒソ話をすることになった。
「……険悪だな」
「仲良いのか悪いのか」
「最初も俺らそんな話したよな」
「てか、なんでこのタイミングでカイザー入ってくんだよ…」
「それなー」
その言葉を聞きつけたカイザーが恐ろしい形相でこちらを振り向いた。
「おいお前ら、聞こえているぞ
俺に文句があるならさっさとここから出ていけ」
「こらミヒャ、あなたとそんなに歳変わらないんだから仲良くしなさい」
「黙れクソ野郎」
「私は女だから野郎ではないわ
もう少し言葉を勉強することね」
何を言っても言いくるめられるカイザーを見た青い監獄メンバーは、笑いを堪えるのに精一杯だ。
「……チッ」
「カイザー、とりあえず伝えることを伝えましょう」
カイザーよりはいくつか精神年齢が高いらしいネスが、人好きのする笑顔を崩さずに助言。
「……おいクソピエロ」
「誰がクソピエロだよ裸の王様」
「世一の分際で口答えするんじゃねえです」
「……なんだよ」
「ボスがお呼びだ、マスタールームにいる」
「ノアが……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキネコ＠しばらく無浮上(プロフ) - エリザベス女王さん» 姉様は基本的に何考えてるか分からないので……笑 今後どうなるか私も楽しみです(？) (4月25日 22時) (
レス) @page7 id: ce88fc4737 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - な、、なんという展開、、⁈何を考えているんだ姉様！、、 (4月25日 18時) (レス) @page7 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
ユキネコ(プロフ) - エリザベス女王さん» わわ…ありがとうございます！本家だと可愛いところがあまりないので、完全に妄想で可愛い弟感出しちゃってます…笑最高と言ってもらえるなんて感激です！！ペースは遅いですががんばります！ (4月11日 18時) (レス) id: 7e1c174fc5 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 今回も最高です､､､‼︎カイザーが可愛すぎる😞なにを言っても言いくるめられちゃって舌打ちしかできないカイザー最高です！更新待ってます！ (4月11日 18時) (レス) @page6 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
ユキネコ(プロフ) - エリザベス女王さん» エリザベス女王さん、コメントありがとうございます！ラファエラはカイザーより余裕なキャラにしたかったので嬉しいです…！コメントを糧に頑張ります💪 (4月7日 18時) (レス) id: 7e1c174fc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキネコ | 作成日時：2023年9月16日 21時
