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「私はラファエラ
ラファエラ・カイザーよ」
「カイザーの…姉…」
現れた若い女性は、綺麗なブロンドの髪と黒いタートルネック、そして何より澄んだ碧眼が目を引く華やかな見た目をしていた。
カイザーも碧眼である。本当に姉弟のようだ。
「カイザーのお姉さんってあれじゃねえの、ブラコンで有名な…」
イガグリが平然と失礼なことを言う。
「あら、日本でも知られているのね
ところでミヒャ、初対面の子に向かってまともな自己紹介がないのはダメなんじゃない?」
彼女はそんなイガグリの発言を軽く躱し、カイザーに目を向ける。
「…黙れこのクソ姉貴が」
どうやら姉は常識人のようだ。
そこでずっと釈然としない顔をしながらイヤホンをつけたり外したりしていた氷織が声を上げる。
「…なあ、あの人日本語喋ってはるよな」
「…確かに」
カイザーやネスが喋っているときは聞こえる声と口の動きが違うのだが、ラファエラが喋っているときの口の動きに違和感はない。
「気づいた?
私ドイツ語だけじゃなくて日本語と英語を喋れるのよ
違和感ないでしょ?」
器用にウインクをして見せるラファエラ。
試しにイヤホンを外してみるが本当に違和感がない日本語だった。
「なんやねんこの姉弟は…
姉はマルチリンガルで弟は新世代11磔って」
どうなっとんの…と驚きを通り過ぎて呆れた表情の氷織。
「Stellen Sie sich hier vor.」
「Es geht dich nichts an, Du Hurensohn. 」
「Egal wie lange es dauert, du bist ein beschissener kleiner Bruder.」
イヤホンを外してものすごい形相でキレるカイザーと、涼しい顔で言い返しているラファエラ。
ドイツ語が全く分からない俺には何を言っているのか分からないが。
「仲良いのか悪ぃのか分かんねえ姉弟だな」
「…そうだね」
完全に呆れ顔の雪宮と顔を見合わせる。
「あ!ラファさん!
来てたんですね」
嬉しそうな声をあげて近寄ってきたのはネス。
「あらネス
久しぶり、あんたは相変わらずいい子ね
ミヒャと違ってちゃんと自己紹介…」
「クソ黙れこのバカ姉貴が」
「最後まで言わせなさいよ
短気なんだから」
ラファエラの言葉を遮ってあらんかぎりの暴言を吐くカイザー。
「いいじゃないですかカイザー
せっかく来てくれたんだから」
「別に俺が呼んだ訳じゃない」
どうやらラファエラの中では初対面の人に対する自己紹介の重要度が高いようである。
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ユキネコ@しばらく無浮上(プロフ) - エリザベス女王さん» 姉様は基本的に何考えてるか分からないので……笑 今後どうなるか私も楽しみです(?) (4月25日 22時) (レス) @page7 id: ce88fc4737 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - な、、なんという展開、、⁈何を考えているんだ姉様!、、 (4月25日 18時) (レス) @page7 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
ユキネコ(プロフ) - エリザベス女王さん» わわ…ありがとうございます!本家だと可愛いところがあまりないので、完全に妄想で可愛い弟感出しちゃってます…笑最高と言ってもらえるなんて感激です!!ペースは遅いですががんばります! (4月11日 18時) (レス) id: 7e1c174fc5 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 今回も最高です、、、‼︎カイザーが可愛すぎる😞なにを言っても言いくるめられちゃって舌打ちしかできないカイザー最高です!更新待ってます! (4月11日 18時) (レス) @page6 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
ユキネコ(プロフ) - エリザベス女王さん» エリザベス女王さん、コメントありがとうございます!ラファエラはカイザーより余裕なキャラにしたかったので嬉しいです…!コメントを糧に頑張ります💪 (4月7日 18時) (レス) id: 7e1c174fc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキネコ | 作成日時:2023年9月16日 21時