【降谷零】犯人と間違えられて車をぶつけられました【名探偵コナン】

あむぴっぴ4.安室 ページ4

「はぁ…」


憂鬱だ。
まさか自分があんなへまをするなんて。
公安失格だ…。


「降谷さん、大丈夫ですか？」


「大丈夫といえば嘘になる」


部下にも心配され、なんて情けない上司だ。
国を守るどころか、人違いで一般人にけがを負わせるなんて。

あの日は三徹目で正常な思考ができない状態だった。
猛スピードで車を走らせる犯人を追ってやむを得ず車をぶつけてでも止めようとしたのがだめだった。
大きくへこんだ車のドアを開け、知らない女性がうなだれているのを見たときのショックといったら…
思い出すだけでも頭が痛くなる。


これが世間に知れ渡ったら公安の信用が薄くなり、俺はもちろんクビになるだろう。



『見てください、足。こんな風に包帯がまかれてるってことは当分車椅子で過ごさないといけない感じじゃないですか。でも私やらなくちゃいけないことが沢山あるんです。』


『…といいますと？』


『けがが治るまで私の要望を聞いていただきます。これが条件です。これを飲んでくれるのなら大事にはしません。示談で終わらせましょう』



彼女が目が覚めるまでもちろん寝てなかったせいか余計に正常な判断ができず、普段の俺ならもっと違う対応ができたんだろうが、その条件も飲んでしまった。
もっとうまい言い訳だってできただろうに故意に車をぶつけたことも言ってしまった。

もう一度大きなため息をつく。
ああ、頭が痛い。

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