【降谷零】犯人と間違えられて車をぶつけられました【名探偵コナン】

あむぴっぴ17.安室 ページ17

「できましたよ」


作りたてのハムサンドを皿の上に並べる。
呼ばれたAさんは遊んでいたゲームを止めた。


「わーハムサンドだ！そういえばハムサンド得意って前言ってましたよね」


「えぇ、あの時は弁当しか持って行ってなかったのでこれが初めてですね」


手を洗おうとしているのか、流しで必死に手を伸ばしていたので水を出してあげると
ありがとう、と短くお礼を言われた。
席に戻れば食べていい？と言わんばかりにハムサンドと僕を交互に見るAさん。
自分が頼んで作らせたんだから自由に食べていいのに。


「はは。どうぞ、召し上がってください」


「やった！いただきます」


Aさんが一口食べたのを見て、自分も食べる。
いつも通りの味だ。


「んー！美味しい！安室さん、これ美味しいよ」


Aさんはほんとうに美味しそうに食べる。
自分が作った料理を食べてこんな輝いた表情をされると嬉しくて
ついついもう一品作ってしまいたくなる。


「あ、ほうだ。わたひ」


「Aさん、口の中の食べ物がなくなってからにしましょう」


「ん…へへ、恥ずかしい。私明日からお仕事行くことになりました！」


食べ物を飲み込んで恥ずかしそうに笑った後は嬉しそうに報告してくる。
表情がコロコロ変わる人だな。


「じゃあ僕朝送りますよ」


「え、悪いですよ！って言いたいとこだけど…送ってもらえると助かります…」


そりゃ車椅子に乗ってる状態じゃ車運転できないしな...
自分が怪我負わせたんだから自分で責任を取らないと。


「葉山先生が」


「ん？」


「葉山先生が送ってくれるって言ってたんですけどなんだか気まずくて。」


「あぁ、葉山先生…」


前に一度会ったあの男性か。
確かAさんに好意を寄せているっていう。
そんな人と車の中で二人っきりって気まずいし危ないな


「じゃあ断ったんですか？」


「えぇ。」


葉山先生より自分を選んでくれた事が少し嬉しい。

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