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あむぴっぴ14 ページ14

「やっとこさ終わったぜよ〜」


「何か色々混じってますよ」


長かった採点がようやく終わり、大きく伸びをしたAさんが変な言葉を発した。
採点を始めてから数時間が経っており、外はもう星が見えていた。


「もうこんな時間か、いつの間にかに暗くなってましたね」


「あ!ほんとだ…すみません付き合わせてしまって」


「いいえ、楽しかったです。まさかAさんが英語の教師だったとは」


紙束をまとめてAさんに渡す。もちろん、全て五十音順に並べてある。
採点したテストは全て英語で書かれてあった。
文法、文章読解、よくできる生徒もいれば、全く違う答えを書いている生徒もいた。
皆個性が強そうだ。


「それじゃあ、僕はそろそろ帰りますね」


「あ、待ってください」


荷物をまとめ終わったので帰ろうとすればAさんに引き止められた。


「私、もうすぐで退院できるそうなんです。」


「え、そうなんですか?」


「はい。だからもしかしたら安室さんが次来る時にはもうここにいないかも知れないんです。だから…」


「あ、じゃあ僕の連絡先渡しますよ」


そう言ってメモ用紙にLINEと電話番号、メールアドレスを書いて渡す。
彼女はそれをおずおずと受け取るとやや小さめな声で「最後まで言ってないのに…」と言った。


「私が連絡先渡そうとしてたんです」


ムッとした顔で僕が渡しためもと同じぐらいのサイズの紙を渡してきた。


「住所も書いてありますから。どうせ家から車椅子じゃなかなか出られないんです。いつ来てもいると思いますよ」


「ほんとすみません…」


普通に話していたから忘れかけていたが、僕はこの人に大怪我を負わせたんだった...
若干嫌味っぽく言われ、罪悪感が再び襲ってきた。
小さな声で謝った。


「はは、安室さんってすごい素直ですよね」


「え?」


「いや、なんかわざと車をぶつけてくるなんて絶対ヤクザとかそういう類の人かと思ってたんですけど、安室さんってほんとに素直に謝ってくるから怒るに怒れないんですよ」


「褒められてるんですか?」


「褒めてます」


ありがとうございます、と一応お礼を告げる。
一瞬皮肉を言われてるのかと思ってしまった。


「いえいえ、私も今日手伝ってもらったし。今日は家でゆっくり休んでください」


「はい、また今度」

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まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月1日 14時) (レス) id: a629ddaeb1 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨(プロフ) - 続き早く読みたいです! (2018年11月13日 22時) (レス) id: 5d19971940 (このIDを非表示/違反報告)
流水明太子(プロフ) - ひゆめさん» ありがとうございます!亀更新ですが最後まで書くつもりなのでこれからもよろしくお願いします(*´ω`)ゞ (2018年9月23日 8時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 凄く面白いです!!更新頑張って下さい!! (2018年9月23日 8時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
流水明太子(プロフ) - yunaさん» ありがとうございます!テスト勉強のため、しばらく姿を消していましたが、もうすぐに更新再開しますのでもうしばらくお待ちください(´;ω;`) (2018年8月29日 21時) (レス) id: f1fe37b3a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流水明太子 | 作成日時:2018年8月1日 23時

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