俺たち、腹違いの兄弟なんです

憎いアイツと愛しい兄弟とー渡辺家過去編ー ページ16

翔太side


なんか、過去の話し出してるらしいから俺達もしようかな
まぁ、俺たちが1番あいつの事を憎んでる自信はあるよ
俺たちがその事を知ったのは俺たちが小学校高学年の頃だった


蓮｢うわきってなに？｣


まだその時は低学年だった蓮は俺達に何回も浮気って言う言葉を聞いてきた
元々俺達の母親は体が弱くて偶然病院で入院している時に会ったあのクソ親父に恋をしてしまったらしい
19歳で俺らを産んで蓮の時にだって出産には立ち会っててそのせいで浮気してた事なんて知らなかった
でも、帰りが遅い日なんてよくあったし、今考えてみると疑うべきところはたくさんあった
別れてから俺たちはお金があまり無かったし、皆身体弱いし、蓮は喘息もあったから高校生になって俺と涼太でバイトをして生活を養ってた


涼太｢ねぇ、翔太｣

翔太｢ん？なに？｣

涼太｢こんな事言っちゃいけないんだけど、俺、たまに思うんだよね｣

翔太｢何を？｣

涼太｢俺たちは産まれてくるべきだったのかって｣

翔太｢涼太...｣

涼太｢あんな最低な父親からの子どもってさ、最悪じゃない？｣


バイト帰りに1度涼太にそう言われた事がある
確かに浮気が分かった時の母親の顔を思い出すとあいつの事が憎くて勝手にイライラする


涼太｢母さんもさ、俺たちが出来なかったらもっといい人と...｣


そんな会話を偶然迎えに来てくれた母親が聞いてて泣きながらそんな事言わないで欲しいと言われた


蓮｢俺、こんな身体だからさ、何も出来ないからこれくらいしたかったんだよ...｣


高校生になった蓮がバイトを俺達に内緒でやってて発作起こした事があった
蓮は自分だけ力になれてないと思ってたらしくて悔し涙を流しながら俺達に言ってきた
それからは蓮と母親を俺と涼太2人で守っていくって決めた
それから蓮は持病もあるし、涼太の店で一緒に働く事になって１ヶ月に1回は誰かが体調崩したりしちゃうからそれも支え合いながら暮らしてた
そんなある日、朝に母親がボロボロになりながら帰って来たと思ったらあいつに会ったと話してきた


蓮｢っんだよ！あいつ！！｣


あんなに怒った蓮は初めて見た
まぁ、そこで色々されて逃げられず、やっと朝に帰って来れたらしい
そこから1週間は体調崩してて、どんどん弱っていってた


蓮｢俺、あいつの事大嫌い｣

涼太｢俺もだよ｣

翔太｢それは皆同じだろ。俺達も、浮気してた人達の子どもも｣

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