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「おーい、照くん？おーい」
私の手を引いてズンズン歩く照、ご機嫌ナナメみたい
たぶん、いや間違いなく翔太の事で…はるか昔に
終わった事なんだけどなぁ…
「Aがはるか昔と思ってても渡辺さんはそう
思ってないんじゃないの？」
「え？」心の声が漏れていたみたい
もういいや、思ってること全部呟やこ
「はぁ…私はこんなに照の事で頭がいっぱいなのに
照の頭の中は私じゃなくて、渡辺さんで頭が
いっぱいなんだ…翔太と別れた時は受付の
さくらちゃんだかももちゃんに盗られて今度は照を
翔太に盗られるんだ…あー、可哀想だなワタシ」
「ぷは、さくらちゃんだかももちゃんって子に
盗られたんだ」
「そうだよ、今度は照まで盗られちゃうなんて
もう生きていけないかも…」
照を伺うように見上げると、我慢しきれないって
顔をクシャとして笑った
「俺の頭の中Aのことでいっぱいだから」
「ほんと？」
「のぞいてみる？」
「のぞけるの？」
「あぁ、帰ったらいっぱい見せてあげる」って
ニヤっと笑った
この顔した時の照は、意地悪で妖艶でセクシーで、
首筋がゾクっとした
耳に口を寄せると「想像した？」って低く囁く
もう、全部お見通しで
彼に繋がれた手を組握りにかえて
「はやく、お家に帰りたくなった」
そう言うと満足そうに
「じゃあ、今日はテイクアウトして、帰ろうか」って
「そうだね」って返事した
翌朝も昨日同様に二人で朝寝坊してまた慌ただしい
だけど幸せな朝を迎えた
終わり
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作者名：おさと
| 作成日時：2022年10月27日 14時
