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木村部長は時間がないらしく、
「朝比奈さん、20分だけ時間やる
今、ここでプレゼンして」そう無茶振りした
「はい、ありがとうございます」
そう朝比奈さんは狼狽えることなく言うと
鞄からタブレットと書類を1冊取り出した
「こうなること、分かってたんだ？」と笑った木村部長
は一気に楽しそうにタブレットを覗き込んだ
しばらく、朝比奈さんと部長のやりとりが続き
猛烈な睡魔に襲われた俺
あー、昼メシ食うんじゃ無かった…
担当のはずの御厨さんは電話を理由に退席してて
俺は眠気がもうヤバくて、手の甲を必死につねって
睡魔と戦う
しかしながら、俺には二人のしてる話は半分も理解
出来なくて、かくんと体が傾いた時
朝比奈さんが、「岩本くん、車の資料取ってきて？」と
言って俺を立たせた
は？車？って思ったけど、木村部長もじっと、こちらを
見てるから、やらかした事を一瞬で悟り
「はい、すいません」って一言だけ言って会議室を出た
車と言われても車で来てないし、会議室の前で待つ
わけにもいかず、ロビーに降りて朝比奈さんが来るのを
待った
それから、30分ほど待ってると御厨さんに見送られて
朝比奈さんが降りてきた
御厨さんが「じゃあ、また会う事があったらよろしくね」
俺にそう言って、戻っていった
「朝比奈さん、あの…」
「岩本くん、取り敢えずお腹空いたから、付き合って」
って連れて行かれたのはファミレス
ランチを注文して、サラダバーで山盛りのサラダを
取って、もぐもぐ食べる朝比奈さん
皿に盛られたサラダはみるみる無くなって
届いたハンバーグプレートもあっという間に平らげた
「はー…お腹いっぱい…
そうだ、チョコバナナパフェ食べよ
岩本くんは？甘いの好きなんでしょ？食べない？」
「あ、や、僕はいいです」さっきの失敗が響いて
とても食べる気しない
「そ？」朝比奈さんは、追加で注文すると
メールを打ち出した
「あ、あの、朝比奈さん！さっきはすいませんでした」
「あぁ、うん、大丈夫、でも2回目は無いからね？」
そう言ってまたメールを打ちながら
「岩本くんだけじゃないから、割と寝ちゃうのよ
話聞いてても分かんないもんね
でも、次からはお昼満腹じゃない方がまだモツかも」
くすっと笑ってそう言った
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作者名：おさと
| 作成日時：2022年10月27日 14時
