安心するまで側にいるから snm HI

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「岩本くん、私は由香さんと深澤くんが来るのを

待ってるから、相談事、またでもいい？」


「俺も一緒に待ちますよ」


「でも…」


「いいですよね、Aさんは辰くんにも岩本さんにも

心配されて、大事にされて」って弱々しい声が聞こえた


「由香さんの事深澤くん心配してるし、大切に

思ってるよ、今だって急いでこっちに戻ろうと

してるし」

彼女の肩を抱きながら慰める朝比奈さん

俺は詳しい状況が分からないけど、これがヤバい

状況って事だけはわかる…でも何をどうすればいいか

それは分からなくてただ二人を見ていた


「嬉しい？私がこんな風になって？いい気味だと

思ってるんでしょ？」竹花さんの声はさっきより怒気を

含んでいるし完全に言いがかりだし

「ちょっと何言ってんだよ」って俺が言おうとしたら

「岩本くん！いいから、あなたはもう帰りなさい」

キツイ口調で朝比奈さんは言った

「すいません、口挟んで…だけどこの状況みて

二人置いて帰る事俺できないんで」


「みんなしてA、Aって…気分いいですか？

みんなに愛されてチヤホヤされて」

俯いていた竹花さんが顔をあげて朝比奈さんを見る目は

鋭く吊り上がってるようにみえる


結婚式でみた柔和な笑顔のかけらもなくて驚いた


「私は由香さんが羨ましくて仕方ないよ？

大好きな人と恋して結婚して、赤ちゃんまで

出来たんでしょ？」

「辰くんは私のことなんて愛してない…

愛してるのはAさんなのよ」そう言うと

今度はしくしくと泣き出した


「本当にそう思うの？深澤くん、愛してない人と

結婚するような人じゃないよ？」


「ほんと？由香のこと愛してる？」


「うん、世界で一番愛してると思うよ？今も由香さん

の事たくさん考えてると思うよ」

そう言ったら「由香！」って声が聞こえて


血相変えて走ってくるふっかが見えた


「ほら、由香さん、深澤くんがお迎えに来てくれたよ」

しくしく泣いていた顔をあげてふっかをみる竹花さん

「由香！なんで？俺今から帰るって連絡したでしょ？」


「ごめんなさい、辰くんごめんなさい」またしくしく

泣き出す由香さん


「深澤くん、由香さんの体調が落ち着くまで

有給取りなさい」

「や、でも…」

「大丈夫、仕事の代わりは誰でもできる

でも新米ママのケアできるのはあなただけよ？」


はっとした顔したふっかが

「悪い、ありがとう」そう言って由香さんの肩を抱いて

帰って行った

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