すのーがーる！３

▽ ページ38

あーー、もうほんとになんなの？？



男って可愛い女の子が好きなのは知ってるけどあそこまでなの！？



…って、一人きりになった瞬間イライラが倍増して来る。



？「Aー、」



そんな時やって来たのは、阿部ちゃんで。



阿部「どうしたの？具合悪い？」



…違うよ、バカ。



何も答えないあたしを心配そうに見つめる阿部ちゃん。



『バカ、みんな嫌い！』



阿部「え？」



『可愛い可愛いってヘアメイクさんのことばっか…あたしだって楽屋にいるのにっ！』



あー、こんなこと言うはずじゃなかったのに、って思った時にはもう遅くて。



阿部ちゃん、きっと呆れてるだろうなあ…そう思って顔を上げると。



阿部「ははっ(笑)」



なぜか笑っている。



阿部「嫉妬しちゃったの？(笑)」



『嫉妬…と、いうか…違う、みんながヘアメイクさんのこと話してるから…』



自分でも怒ってる理由が幼稚すぎることが分かってるからこそうまく話せなくて。



阿部「可愛いね、Aは。(笑)」



ってそんなあたしの頭をぽんぽん、と優しく撫でる。



『……別にヘアメイクさんには負けるし、』



阿部「ごめんね、Aが嫌な気持ちになってたの気づけなくて。ただ俺らが話してたのはヘアメイクさんのお子さんのことだよ。(笑)」



『…え？』



でもふっかが最初ヘアメイクさんのユキちゃんって…つまりそれはヘアメイクさんの(娘の)ユキちゃんだったったこと？



阿部「いや、4歳らしいんだけど本当に可愛くてさ〜(笑)みんなその子のこと言ってたんだよ。」



『…ほんと？』



阿部「ほんとほんと。(笑)あとで一緒にユキちゃん見に行こうよ。」



じゃああたし勝手に勘違いして1人で怒ってたってこと…？



阿部「みんなも心配してたよ、Aが急にいなくなっちゃうから。」



だから、楽屋に戻ろう？ってこんな時でも優しく聞いてくれる阿部ちゃん。



『…うん、』



深澤「A！」



戻るなりあたしに駆け寄って心配してくれるふっかや、大丈夫？って聞いてくれるみんな。



『うん…ちょっとトイレ行ってた。」



深澤「よかったあ…具合悪いのかと思って心配した。」



横にいる阿部ちゃんを見たらニコニコしていて。



皆が本当にあたしのこと気にしてくれてたんだ、って。



『ううん、ごめん、大丈夫だから！(笑)』



さっきは嫌いなんて言ってごめん、あたしはみんなが大好きだよ。

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