すのーがーる！２

さりげない優しさ ページ49

〈佐久間side〉

「いやー…マジで俺死ぬかと思った。」



深澤「冷房壊れるのは流石にキツいな(笑)」



さっきばったり遭遇したふっかと、俺の部屋の冷房が壊れた話をしながら控え室へ向かう。



深澤「おはよー…って、誰もいない？」



「いや(笑)いる、そこ。」



例によって例のごとくソファーに丸くなって眠っているのは、A。



深澤「…(笑)相変わらずだな。」



ブランケットも何もかけずに寝ているA。…いや、この部屋寒いとまではいかないけど結構冷えてるよ？



何かかけてあげなきゃ〜、なんて思いながら部屋をウロウロしてると。



深澤「ったく…ほんとに寝冷えすんぞって言ってんのにどうして何もかけずに寝るのかなぁ〜」



ブツブツ言いながらもふっかがブランケットをかけてあげて。



ああ、やっぱりよく見てるよなあ、ふっかって。



深澤「それに、これも付けてねえし。」



またしてもブツブツ言いながら、ふっかが加湿器の置いてあるところまで歩いて行って。



「来てすぐに寝た感じだろうね、これ(笑)」



深澤「だろうな(笑)」



Aは翔太の影響でちゃんと加湿器とか使うようになったのにね。



「相変わらず世話が焼けますね〜〜、うちの姫は。」



深澤「本当に。たまには自分のことも考えて欲しいんだけどなあ、」



「まあそれが出来ないのがAだからね。(笑)」



いつも自分は後回しだからね、この子は。



深澤「もうほんとに心配だよ(笑)」



なーんて俺の前では言ってるふっかだけどさ。



『ん〜…』



深澤「お、おはよ、A。」



『あれ〜ブランケットかかってる…』



深澤「ちゃんと寝られた？」



『ん、めっちゃ寝た。(笑)』



わざわざ俺がブランケットかけといたよ、なんて言わないんだよね〜。



俺だったら言っちゃうかも。(笑)俺がかけたんだぜ！ってさ。(笑)



加湿器までついてるからさすがのAもあれ？って不思議そうな顔をしていて。



だから、ふっかがトイレに行ったタイミングで俺がこっそり教えてあげたんだ。



「ふっかがAのこと心配してブランケットも加湿器も用意したんだよ。」



ってさ。(笑)



『そうだったの〜？…ふっかにありがとう言っておかなきゃ。』



ふっかのさりげない優しさって、本当に素敵だよね。

△作者より▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す