すのーがーる！

たまには、ね ページ13

〈阿部side〉

『ん〜…、』



さっきから机の上に向き合っては何かを考えている様子のA。



プリントやら本が出てるから大学の勉強してるんだろうけど。



こう見えて、Aは現役大学生だからね。



「どうした〜？なんか分からない問題ある？」



『全部…』



「…(笑)教えるよ、見せて？」



きっと、忙しくて大学に行けない日もあるから追いついてないところもあるんだと思う。



「あ〜、ここね。ここは〜…」



俺の得意な分野のところだったから、ちゃんと教えられたんだけど。



『…なるほど。やっぱり阿部ちゃん頭いいね〜！ありがとう！』



「いいえ。また何かあったら言ってね？」



と、また机と向き合うAを見ながら俺も本を読んでたんだけど。



『ん〜…』



これまた次は頭を抱えて悩んでいる様子。なんだけど…



もしかして、これは分からないんじゃなくて頭が痛いんじゃない？



そういえばそろそろ天気も崩れる時期だし、Aは偏頭痛持ってるから痛むんだと思う。



「A、おいで。」



ふぅ、と息をつくAに両手を広げて。



『ちょっと待ってね〜…』



「だーめ。今。」



『……はぁい、』



素直に俺の横に座るAをぎゅーっと抱きしめてあげる。



『どうしたの、阿部ちゃん。』



「頑張りすぎだから、さ。Aは。」



『そんなことないよ〜。』



「ここ、痛いでしょ？」



そっとAの頭に触れると大人しく頷く。…やっぱりね。



『さすがだね、阿部ちゃん。なんでも分かっちゃうんだね。』



「んまぁね〜。天気のこともAのこともなんでも分かるよ、俺は。みんなが来るまで少し寝てなよ。」



俺の膝に頭を乗っけるようにしてあげて、寝かせてあげるとすぐに寝息を立てたA。



やっぱり少し疲れてたんだね。



スヤスヤ眠るAの頭痛が少しでも治るように、頭を撫でてあげる。



たまには、ね、こうやってゆっくり身体を休めることも大切だからね、A。

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