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その日の夜、彼の家を訪れた。
大勢で入ることはあったけれど、2人きりの空間はいつもとは違って急に心が強張る。
「寒いやろ。今ココア淹れるから座って待っててな」
キッチンに立った彼は少し大人びた表情をしていて、これからこの表情を独り占め出来るんだなんて思ったら『彼女になった』という実感が湧く。
「はい」
「ありがと」
2人並んで座る皮張りのソファ。
沈み込む左側がなんだか気持ちを浮つかせる。
「なんか映画でも見るか」
「うん、」
少し堅苦しい返事をした私を見た彼は、テレビのリモコンを置いて顔を覗き込んだ。
「緊張しとる？」
「....うん、ちょっと、」
「やんな。肩ガッチガチやで」
笑いながら茶化すから、少しだけ悔しくなる。
「....してない、」
「しとるやん。そんな固くなられたら困るんやけど。今日キスしてから帰らそと思っとったのに」
冗談で言うでもなく、真剣な眼差しのまま。
獲物を捕らえるような強い眼差しから視線が外せない。
「べ、別に、固くないから、」
「そんなんじゃ出来ひんな」
「キスくらい、出来る、」
「ほんま？」と言いながら、ニヤリと口角を上げる。
さっきの可愛らしい彼なんてひとつも無くなって、ただの男の人の顔をしていた。
そして首の後ろに手をかけ、ギリギリまで顔を近付ける。
「....ええの？」
私は逃げることもせず、重なった熱に酔いしれた。
深く深く混じり合うお互いの体温。
凍えそうなくらい冷え切った指先は、気付けば熱いくらいになっていて。
「....なぁ、やっぱ今日、帰さんでもええ？」
上から降り注ぐ甘い言葉。
初めて『友達』という枠を飛び出した私たちは、深いところで繋がった。
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ぴぃ - 残してくださって嬉しいです。またいつか戻って来てください。お返事ありがとうございました！ (2021年12月30日 22時) (
レス) id: 78b15a02bd (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぴぃさん» ぴぃ様、驚かせてしまって申し訳ないです（ ; ; ）今後手が空き次第、過去作品の加筆修正を行う予定ではありますが、全て残しておくつもりですので楽しんでもらえたら嬉しいです＾＾コメントをくださったこと、とても嬉しく思ってます◎ありがとうございます！ (2021年12月28日 22時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - ぴぃと申します。この作品にやっと勇気を出してコメントしたら、休止されると知り寂しくなっております。長編作品、どれも続きが気になっていつも楽しみでした。作品残しておいていただけたら幸いです。何度も読み返したいです。 (2021年12月28日 2時) (レス) id: 78b15a02bd (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます！楽しんでもらえたなら良かったです（ ; ; ）別の作品も楽しんでもらえますように....🙏🏻 (2021年12月22日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 完結お疲れ様でした！青のクズホストも好きですが、やはり紫さんのクズ社員が一番好きです♡また短編集も思いつきましたらしてくださると嬉しいです！ (2021年12月20日 22時) (レス) id: 6570e0ebc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年11月11日 22時
