＿＿ ページ31
You side.
「.....まぁそんな急に手先が器用になるわけないよね。」
3種類くらいのコテに、
幅の違うストレートアイロン。
信じられないくらい揃った設備と何種類もの髪飾りも用意されているのに、肝心の髪は『実験にでも失敗したんか』とツッコみたくなる程ボサボサで自分でも呆れた。
「もういいや....」
諦めた私は適当に1つにまとめて洗面所を出た。
翔「おい。」
そのまま出掛けようと鞄を肩に掛けたところで、不機嫌そうな渡辺さんが私を呼んだ。
「なんですか？」
翔「こっち来い。」
「え、なんで、」
翔「いーから。早くここ座れ。」
言われるがまま渡辺さんが座っていた席に座らされ、彼は1本のコテと小さなヘアゴムを2つ、ヘアオイルにコームを用意した。
大きく溜め息をつき、呆れ顔で私の髪に触れる渡辺さん。
「え、何するんですか、」
翔「うるせぇな、今から出掛けんだろ？よくそんなボッサボサの髪で外出ようと思ったな。」
ほんっと有り得ねぇわ、と愚痴っぽく零した後、1つに結んだ髪をスッと解いた。
髪を梳かし、器用にコテで巻いていく。
あっという間にナチュラルにウェーブのかかった髪に、当たり前のようにヘアオイルを馴染ませていく手捌きは、さすが美容師、と褒めたくなる程スムーズだった。
翔「何？」
鏡越しに目が合い、素っ気なく返される。
「渡辺さんって、美容師なんですもんね。」
翔「そうだけど。何で？」
「ヘアアレンジとか出来るんだなぁって、」
翔「美容師なんだから当たり前だろ。」
不器用だと思ってたから、とは言えない。
顔が怖いです、渡辺さん....
俺のことなんだと思ってるわけ？なんて言いながら相変わらず怖い顔をしているから、これでお客さんがつくのだろうかと心配になった。
翔「ほら。」
「うわ、すごい！」
翔「ん、可愛いじゃん。あとは適当に髪飾りとか付けときゃいーから。」
「え、」
翔「なんなんだよさっきからいちいち、」
「今可愛いって、」
翔「あ？言ってねぇ。」
「いや、言った。」
翔「言ってねぇようるせぇな。」
早く行けよ芋女、と軽く暴言を吐き出した彼は当たり前のようにコームやコテを片付け始めた。
渡辺さん。
もしかして怖いんじゃなくて、ただのツン？
.
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cleam(プロフ) - 名無し90968号さん» お返事が遅くなり申し訳ありません！凄いですね....！まさかQRコードの中身まで気付いていただけるなんてとても嬉しいです（ ; ; ）読者様のおかげでたくさん作品を出せているので、そう言っていただけてとても嬉しいです！お読みいただきありがとうございます＾＾ (2021年2月27日 0時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
名無し90968号(プロフ) - 最初に出てくるQRコードが検索すると御来場お待ちしてました。になるの凝ってて驚きました！！主様の作品を読み漁ることが最近の楽しみです！！！！ (2021年2月23日 23時) (レス) id: ebf8f0f015 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - みぃ。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです（ ; ; ）2に移行して、Mission Purpleも実行されましたのでもし良ければ是非読んでいただけると嬉しいです◎ (2021年2月14日 7時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - misaki3155さん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんと、ちょっとドキッとする部分と、織り交ぜながら更新していきますね＾＾ご意見ありがとうございます！ (2021年2月14日 7時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - はじめまして！いや、こんなの1人なんて選べないよぉ！なんてキュンキュンしながら読んでます。これ、全員分のオチが見たくなりますね。残りの4人のミッションも楽しみです！ (2021年2月13日 7時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年2月4日 22時
