＊36 A.Side ページ6
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長い収録が終わり、楽屋に戻る。
さすがにちょっと疲れたかなぁ、なんて。うん気のせい、気のせい。
でも、最近やけに頭痛と肩凝りがひどい気がする。
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…あ、Aちゃんから返信来てる。
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＊
収録お疲れ様です。お財布、渡しておきました。
A
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よかった。
本当は直接受け取りに行きたかったんだけど、それも難しくて。
わざわざ休みの日に届けに来てくれたAちゃんに感謝しなくちゃ。
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えっと、マネージャーは、っと…
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目 「あ、居た居た。阿部ちゃん」
阿 「お、目黒。どうかした？」
目 「…はい、コレ」
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どうやら目黒はずっと俺を探していたみたい。
俺を見つけるなり、あるものを手渡して来た。
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阿 「はっ？えっ？」
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…ちょっと、待って。
なんで目黒が俺の財布持ってんの？
Aちゃん、マネージャーに渡したんじゃ？
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目 「ふは、阿部ちゃん驚きすぎだから。
さっきそこの廊下で、迷ってる女の子が居たの」
阿 「うん」
目 「どうしたの？って声かけたら、阿部ちゃんの財布持ってたから俺が届けるって言って」
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なるほど…そういうことね。
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阿 「そっか。ありがとう」
財布を手に持った瞬間、顔をニヤニヤさせて俺を見る。
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目 「…あの子、阿部ちゃんの彼女？」
阿 「はっ？バカ…ちげーよ！」
目 「ふは、そっか」
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もう！なんでそうなるかなぁ！
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目 「面白い子っすね」
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それだけ言うと目黒は自分の楽屋へと戻って行った。
『面白い子』
目黒からしたら深い意味はないかもしれない。けど、普段そんなこと言わないじゃん。
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…何だ？
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なんていうか、今、無性にAちゃんに会いたいっていうか…
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＊
お財布預かったよ。ありがとう！
ねぇ、明日シフト入ってる？
終わる頃お店行ってもいい？
阿部亮平
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そう文字を打って送ると携帯を閉じた。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
