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『あれ、乗る？』
目黒さんがそう提案して来たのは、ジェットコースター。などではなく…
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あ 「目黒さん、回しすぎですって〜」
目 「ほら、Aちゃんも回して！」
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まさかの、コーヒーカップだ。
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もしや目黒さんはＳなのか？
乗って早々ずっとハンドル回してるんだもん！
おかげさまで他の人が乗ってるカップより何倍も早く回って。
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…やっと終わった。
乗り物が終わった時にはホッと胸を撫で下ろした。
せっかくさっき休んだのに、もう気持ち悪い。
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あ 「もう。目黒さん〜」
目 「はぁ〜楽しかった。ちょっと回しすぎちゃった？」
自分が全然大丈夫だからって、この人。鬼だ。
それにほら、またクスクス笑ってるし、本当悪魔？
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目 「したら、次は…アレ。行ってみる？」
あ 「…えっ」
目黒さんが指差したのは私が最も
苦手とする部類の…ヒュードロドロ。
そう『お化け屋敷』だ。
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目 「こういうの大丈夫？」
あ 「全然大丈夫じゃ…ないです」
目 「ふは、やっぱり」
あ 「目黒さんは？」
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目 「実は、俺もそんな得意じゃない」
そうなんだ。なんか意外。
男らしいからてっきりこういうのは大丈夫なのかと勝手に…
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目 「でも大丈夫。ちゃんと守るから」
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目黒さん。
本当に何気なくこういう一言言えちゃうんだから。
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胸の高鳴りを抑えるのに必死な中
目黒さんが、ん…と私に右手を差し出した。
そしたら微笑みながら
『これなら少しは怖くないでしょ』って。
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手を差し出すのを戸惑っていると
目黒さんは強引に私の手を握った。
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目 「ちゃんと付いてきてね」
あ 「…はい」
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私達、カレカノじゃない、よね？
そんなことを思わず疑っちゃう。
なんだか胸の高鳴りを隠すのに精一杯だった。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
