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一瞬戸惑ったけど、阿部さんだって体調が悪いんだもんね。
きっと、変な意味はないんだよね？
私だけが意識しすぎて、るんだ。
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レンゲで熱々のお粥をすくって、何度かふーふー。
えっと、この後は…
阿部さんを見たら何にも言わないでこちらを見てる。
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何にも言わないってことは…
普通のカレカノ同士ならふーふーってした後はあーん、ってするよね？
そうすればいいってこと？
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あ 「…はい、あーん？」
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ああ、なんかすっごく恥ずかしい。
でも、私のあーんに応えている彼も私のそれを待っていたみたいに思えて、少し期待しちゃう。
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変な意味はない。
コレも風邪を引いてしまっている彼の為。うん。
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阿 「…んまぁ！」
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あ 「えっ。本当ですか？」
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阿 「うん！すっごい美味しい！」
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シンプルに『美味しい』そう言われることが嬉しい。
そんな満面の笑みで微笑んでくれることも。
やっぱり彼のこういうところが大好きだ。
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阿 「ふは、顔真っ赤じゃん」
あ 「…えっ」
阿 「どうして？」
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そんなのこんなに恋人染みたことしからに決まってる。
ドキドキしてるから、なんて絶対に言えない。
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あ 「何でもないんです！」
阿 「…俺の熱、移しちゃったかな？」
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そう悪戯に笑う阿部さん。
どうしてか分かってるくせに、そうやって私のおでこに手を伸ばして来たりして…
またドキドキさせようとするなんて
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本当に意地悪。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
