雨と君の涙-2- (ページ7)

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第50話ページ7

芝健side

昨日まりんにはああ言ったもののどうしても気になってしまい、結局ベッドに潜ってからもなかなか寝付けなかった。

でもまあ、Aが何も言ってこない限り俺は何もできないけど。

変に詮索するのも良くないだろうしとりあえず割り切るしかない。

まだどこか違和感が残るけど、俺はとりあえずその違和感を見ないフリをして過ごすことにする。

気のせいかもしれないし何もなければそれでいいもんね。

そう自分に言い聞かせながらカーテンを開ける。
自分が思っていたよりも日差しが出ていて思わず目を細める。

すると、ベッド近くのテーブルに昨日から置きっぱなしのスマホが鳴った。

画面を見ると"YUMA“の文字。
俺は迷わず電話を取った。

「…もしもしー？」

YUMA「もしもし、俺やけどー」

「突然どしたんですか？」

YUMA「いや、そんな大した話じゃないんだけどな」

「え、あっはい」

なんだろう。
大した話じゃないとは言っているけど顔が強張るのが分かる。

YUMA「来月東京でイベントあるやん？そのイベントにAちゃん連れてきたら？タシアのマネージャーみたいな感じでさー」

……えっ？

思っていたような深刻な話ではなく少し拍子抜けしてしまう。

「えっとー…それはすごくいいと思うしタシアとしてもAがいるだけですごく助かるんですけど…急にどうしたんですか…？？」

YUMA「いやwSLHはマネージャーがいるから別に大丈夫だけどタシアは全部まりんがやってるっしょ？見てていつもまりんが大変そうだったからさwwAちゃんなら上手くやってくれるかなーって思って。あ、もちろん良ければだけどね」

なるほど。
確かに俺らは少なからずまりんに頼りすぎているところがある。
Aにお手伝いに来てもらうのはすごくいいアイデアかもしれない。

「わざわざありがとうございます…！もう本当俺らまりんに頼りすぎちゃってるんで…wwwAに聞いてみますね」

YUMA「いやいや、全然いいよー
むしろお節介だったかななんて思ったwwまあ俺らはお前らの一応先輩だからな。何かあったらゆまさんにも頼りなね」

ゆーまくんとまりんはしょっちゅう一緒に飲みに行ったりと仲が良いしきっと気付いてくれたんだろう。

それにしても俺たちは何て素敵な素晴らしい先輩方を持ってるんだろう。
そんなこと思いながら話す。

そこからは“またご飯行きましょーね”とか“打ち合わせもしよう”だとか他愛もない話をしてゆーまくんとの通話を切った。