雨と君の涙 (ページ27)

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第25話ページ27

SLHのダンスははっきり言ってすごく上手だった。

でもだからこそ少し遅れただけで目立つというか、小さいミスがとても気になってしまう。

でもさすがにアナタシアの先輩にあたる人だし、いくら私でも指摘はしない。

…つもりでいた。

練習が終わりみんなは片付けを始めた頃。
私はスタジオの端っこで猛反省をしていた。

ずっと我慢していたが、つい言ってしまったのだ。

どうやら私はダンスのことになると周りが見えなくなってしまうようだ。

そんなこんなで私は反省の意を込めて部屋の隅にいるって訳だ。

はあ…この癖直したいな…

なんて思っていたその時。
背後から人が近づいてくる気配がした。

振り返るとそこにはSLHの4人がいた。

どうしたのかな…
何か言われるのかな…

なんて考えていたが、4人の口から出たのは予想外の言葉だった。

YUMA「今日は本当にありがとう！」

KARASU「Aちゃんすごく的確なアドバイスしてくれるし、気がきくし、ほんと感謝！」

SHIRAHAN「今日一日めっちゃ助かったわ」

RYO「また来てねー！」

なんていい人たちなんだろう。

「とんでもないです！むしろご迷惑をかけたかと…でもそう言ってもらえて嬉しいです。また私でよければ是非練習行きますんで！」

そう言って微笑むと彼らも笑いかけてくれた。

それからしばらくして、私はアナタシアのみんながいる方に近づく。

「健君、今日は誘ってくれてありがと。めっちゃ楽しかった！」

と私は言った。

すると健君は

芝健「いやいや！俺たちもAが来てくれて本当に楽しかったよー！また時間があればアナタシアの練習においで！」

と言ってくれた。

まりん「まあ、もちろん忙しければ全然大丈夫だけど、来てくれると俺らは嬉しいわ」

芝健「まりんがデレたー！！！」

まりん「うるさい。」

そんな光景を見て思わず微笑んでしまった。

「今日ちょっと気になったところもあるし、またお邪魔じゃなければ練習来るねー」

まさと「げっ…Aのスパルタ練習…！？」

カナタ「Aはダンスのことになると人が変わるからなーww」

…なんだかまさとくんが小声でひどいことを言っていた気がする。
まあ、聞かなかったことにしよう。

そうこうしているうちにスタジオの予約時間が迫り練習会はお開きになった。

最近毎日が楽しく感じるし、自然に笑えるようになった。アナタシアに出逢えた影響は自分が思っているより大きいようだ。

私は少しスキップしながら家に帰った。