雨と君の涙 (ページ2)

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第1話ページ2

Aside

どうせ裏切られるくらいなら誰も信じないで生きていこうと思っていた。
もう二度と誰かを信じることなんてない。そう思っていた。

…あの日まで。

雨。

ふらりと立ち寄った店を出たとき、ポツポツと雨が降ってきた。
はー…ついてない。今日は一日中晴れって言ってたじゃん…
予報外れの天気に朝のニュースの気象予報士を恨めしく思った。

当然私は傘なんて持っていなかった。
私は仕方なく近くのコンビニに行き、一番安いビニール傘を買った。
そしてさっさとコンビニを後にし、歩き始めた。

行き先なんてないけど、こんな日雨の日はは家には帰りたくない。
無駄に色々考えてしまう。

私は雨が嫌いだ。憂鬱な気分になるし、やる気は起きないし。
そして何より９年前のあの日を思い出してしまうから。

歩き始めて５分後。雨はどんどん強くなっている。
よっぽどの用がないと家から出るのもためらうくらい。
そのため道には私以外誰もいない。雨の音が静かな空気の中で響いていた。

「わっ…」

突然強い風が吹いた。

その風を安い傘が受け止めきれるはずもなく、傘はあっさり折れてしまった。

その間にもどんどん雨風は強くなっていき、傘なんていらないくらいだった。
私は静かに傘を畳んだ。
どうせ濡れるんだったら傘なんて買わなきゃよかったのかもしれない。

ふと前を見ると、それなりに大きな公園があった。
当然この雨で子供たちはいるはずもなく、いつもは賑やかであろう公園は不気味なほど静かだった。

私はふらりと公園の中に入っていった。
そして折れてしまった傘を地面に置いた。

私は今、何故か無性に踊りたくて仕方がなかった。
幸いにも今この公園周辺に人はいない。

…ちょっとだけならいいよね

そうして私は雨の中１人で踊り始めた。

こうして自由に踊るのなんていつぶりだろう。
雨や泥で私の服や髪はどんどんぐちゃぐちゃになっていく。
けれど、そんなことはどうでもよかった。
私は一心不乱に踊り続けた。

考えないようにはしてたけど、踊っているとやはりあの日のことを思い出してしまう。
私の頬を一筋の滴が伝い、雨と一緒になって落ちていった。

作者より！

読んでくださりありがとうございます！

まだ展開が頭の中でまとまってないので、これから内容が迷走(？)するかもしれないんですけど引き続き読んでくださると嬉しいです。

感想や誤字などがあったらコメントよろしくお願いします！