33:優しすぎて ページ34
*
「落ち着いた？頭は？痛くない？」
『ん…頭はまだ痛い…』
泣きたいわけじゃないのに止まらない涙を必死に拭う。
佐久間はその間ずっと抱きしめていてくれた。
「立てそう？このままだといつまで経っても帰れなくなっちゃうから、ちょっと頑張ろ。家まで送っていくから」
『うん、ごめん』
「謝んなー！電車は厳しそう？タクシーにする？」
『…佐久間、傍にいてくれるなら電車にする』
「当たり前じゃん、ずっとくっ付いてるよ」
佐久間はほんとに優しい。
付き合ってるわけじゃない、彼女なわけじゃない、ただの同僚のはずなのに、どうしてここまで優しくしてくれるんだろう。
「寝てていーよ、着いたら起こす。疲れたでしょ」
『佐久間の方が疲れて…』
「今俺の事気にしなくていいから！ほら、寝な寝なー！」
奇跡的に空いていた席に2人で座る。
佐久間は自分の肩をぽんぽんと叩く。
頭乗せて寝な？って意味かな。
『…重いよ？』
「ふはっ、重いわけないじゃん！乗せて寝な？楽でしょその方が」
『……ありがとう』
あまりの優しさに、胸が締め付けられる。
電車の揺れが心地よくて、そのまま佐久間の肩に寄りかかってまた寝てしまった。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼香(プロフ) - 大丈夫ですよ!!こんなことあるんだ！とびっくりしただけなので (2021年2月28日 17時) (
レス) id: 84fc06f980 (このIDを非表示/違反報告)
澄架(プロフ) - 涼香さん» コメントありがとうございます！まさかの同じお名前でしたか！(笑)申し訳ないです〜！更新頑張りますね！ありがとうございます！ (2021年2月27日 20時) (レス) id: 6cf4b7c805 (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - 面白いですね！最初の人物設定ですずかがでてきてビックリしました。まさか同じ名前になるとはwwややこしくなるので今は名前を変えてます。更新頑張ってください！ (2021年2月27日 18時) (レス) id: 84fc06f980 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澄架
| 作成日時：2021年2月25日 22時
