コーヒーとオレンジジュース【佐久間】

24:イケメンくん ページ25

* sakuma side


「およよ？なんかAちゃん喋ってる？」



コンビニから出るとAが座っていた方のベンチから声がする。
誰と喋ってんだろ？

不思議に思いながら近づくと、ふわふわのわんちゃんとAちゃんが戯れているのがわかった。



「は？！……かわいすぎない？どっちも天使じゃん」



思わず遠くで見守りたくなるほどの可愛さ。
でもそれが出来ないのには理由があった。



「え、飼い主、めっちゃイケメンじゃね？」



すらっと高い身長、スタイルもすごくいい。
眼鏡をかけていて、さりげなくおしゃれな感じ。
気付いた時にはAちゃんの方に向かって走っていた。



「おまたせ！！待った？」


『あ、佐久間〜おかえり。見て！このわんちゃんすっごい可愛いの！』



Aちゃんももすっごい可愛いけども。
わんちゃんも可愛いけどAちゃん、すっごい可愛いんだけど？



「ほんとだ〜！俺も触っていいですか？」


「いいですよー」



飼い主、間近で見てもイケメンだな。

Aちゃんはあくまでもこの人じゃなくて、このわんちゃんと戯れてるだけだ。
と、分かっていてもどうしても、もやもやする気持ちが出てくる。
俺、結構嫉妬深いのかな。



『さ、そろそろ帰ろっか！ありがとうございました！えっと…』


「あ、俺阿部って言います。またお会いしたらぜひ触ってあげてください」


『阿部さん！すごい癒されました〜！またぜひ！』


「あざっした！」



わんちゃんにも癒されたし、わんちゃんと戯れてるAちゃんもすごい可愛かったし癒された。
でも阿部？とかいうイケメンはいけ好かない。
Aちゃんもほんと、知らない人と仲良くなりすぎ…。


*

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