コーヒーとオレンジジュース【佐久間】

07:俺は ページ8

* sakuma side


どうしてAちゃんはこんなにも俺を喜ばせるのが得意なんだろう。

いろんなことに関して好みが合わない俺らだけど、Aちゃんの顔はもちろん、匂いも、性格も実は結構好き。



『他の好み合わないから無理だね』



なんて、正直ぐさっと来るものがあるし、Aちゃんが俺の事、そういう風に見てないのだってわかってる。

けどさ、





『安心感ある感じ』


とか、


『素出して話せてるのは佐久間の方だよ』


とか、





不意に期待してもいいのかなって思うようなことを言うから、余計に好きになっちゃうんだよね。

急に自分のお茶、渡してくるし。
その時点で、そういう風に意識されてないって自覚するんだけどさ。


普段俺と話す時は見せないような顔で照と話してんのも、正直妬くし、ちょっと嬉しいことを言われただけで分かるくらいに顔が熱くなる。


抱きしめたいし、サラサラな髪にも触れたいし、なんて考えたりもする。



さっきだって、勢いに任せて、匂いが好き、って言ってしまった。
少しは俺の事、意識してくれたっていいのにな。









『佐久間？どうしたの？具合悪い？』


「へっ？……大丈夫！全然元気！！」


『ふふっ、びっくりするじゃん、急にぼーっとしだしたら』


「いやーごめんごめん！」





ふとした時に見せるこの笑顔も、ほんと可愛い。

耐えろ、佐久間大介。



*

08:ごはん→←06:好きだよ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す