後輩は大型犬みたいです【佐久間】

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『……私ね、佐久間くんと話すのすごく好きなの。癒されるし、楽しいし、佐久間くんと一緒に居るのが心地よくって大好きなの。でもそれは後輩と先輩の関係で十分だと思ってた。それなのに、佐久間くんが告白してくれた日から佐久間くんのこと意識しちゃうし、佐久間くんが福本さんと話してるの見るともやもやしちゃうし、』
「うん」
『ふっかにも相談したんだけど、ちゃんと伝えなきゃダメだろって言われて、伝えようとしたの。でも佐久間くんが福本さんと話してるの見たらやっぱり自信無くなってきちゃって…ごめんね、ほんとにめんどくさいの、私』


泣くつもりなんて無かったのに、ぼろぼろと涙が込み上げてくる。
頬を伝って、佐久間くんの指を濡らす。
こんなぐちゃぐちゃな顔、見られたくないのに添えられた手が私の顔を離さないから背けれない。


「…先輩」
『…はいっ…』
「先輩が自分に自信が持てないなら、俺が何回だって好きって伝える。可愛いって伝える。先輩に伝わるまで何回でも言う。今こうやって先輩が泣いてるの見て、泣き顔でさえ可愛いって思いますもん。…俺やっぱり、先輩じゃなきゃ駄目だ」


佐久間くんの目にもうっすらと涙の膜が張っていて、その綺麗な目に私も思わず手を伸ばす。
親指で目元を掬うと、佐久間くんは愛おしそうに目を細める。
だめだ、私も佐久間くんじゃなきゃだめだ。


『私も佐久間くんじゃなきゃ嫌だっ…佐久間くんがいい…！』
「俺単純だから…それ俺の事好きって言ってるようにしか聞こえないですよ！」
『そうだよ！！大好きだよ馬鹿！！』
「うおっ！」


ガシャン、とブランコの鎖が揺れる。
柄にもない、私が公衆の場で抱き着くなんて。
でももうそれすら関係ないくらいに、佐久間くんが好きだ。大好きだ。

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