後輩は大型犬みたいです【佐久間】

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『佐久間くん…っ！』
「あぁほんとにかわいい。今すぐ俺のものにしたい」
『え、ええ、あの』
「先輩、俺と付き合ってください。俺じゃダメですか？」
『え、えっと、その』


うまく受け答えが出来ない自分が情けない。
彼がこんなに私を好きでいてくれる。
佐久間くんとご飯に行って思ったけど、彼といるのは居心地がいいし、何より楽しい。
きっと付き合ったらすごく楽しいだろう。
でも、でも。私のような年上でいいのかな。
年下のもっとかわいくて、華奢で、ふわふわしたような子じゃなくていいのかな、なんて考えてしまう。


『ちょ、ちょっと時間ちょうだい？』
「…少しでも考えてくれるんですか？」
『それは…もちろん』
「まじすか！！えぇ！それだけでも嬉しい！！」


それだけで嬉しいの…？
私がうん、と言ったら貴方はどれだけ喜んでくれるの？
どれだけ健気なんだろう、この子は。
胸が締め付けられそうになりながらも、ちゃんと考えないとと冷静になる。


「えへへ」
『もう、にやけ過ぎだよ…じゃあまた来週ね、佐久間くん、気を付けてね』
「俺は男なんで大丈夫です！じゃあまた！」
『うん、お疲れ様』


さよならー！と遠くになっても手を振ってくれる。
ああ、彼と付き合ったら本当に楽しいんだろうな。
犬みたいな可愛さもあって、あの笑顔に癒されてて、私のことをこんなに思ってくれてて。
すごくいい子だからこそ、彼に私は似合わないんじゃないかと思ってしまう。


『…ちょっと苦しいかも』


お風呂の中で呟いた一言に、私は彼をどう思ってるのか、わかってしまったみたいだった。

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