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53:あの時から ページ5

*



「ええぇ!?泣くの?!」


『だって…』




言葉では言い表せない、いろんな思いが込み上げる。




『ずっと…?ずっと好きでいてくれたの?』


「入社してちょっとした頃かな!俺が仕事でミスした時、一緒に怒られてくれたことあったじゃん」


『あぁ、あったね』


「その時さ、まだ出会ってまもない人の為にここまでしてくれる子居るんだって思ったんだよね。俺もこの子みたいに、周りのこの気持ちを考えられる人になりたいなって思ったんだよ〜」


『…なんか恥ずかしいな』


「なんでよ!…まぁそこから気になってよく見るようになったんだけど、好みがほんと合わないのに顔がめちゃくちゃ好きで」


『私も。佐久間のこと知ってく度に好み合わない人だなぁって思ってた』





私も初めて見た時から、こんなに綺麗な顔の人がいるんだって思うくらい、すごく好きな顔だった。
好みが合わないのに顔が好きなの、自分でもよくわからなくなるくらい。





『でもね、佐久間。佐久間が私にしてくれたようなことを、咲良ちゃんとかにするの想像したらすごく苦しくてね。佐久間の隣にいたいなぁって、思うくらいには、佐久間のこと大好きだよ』


「…うん」


『だから、その、よろしくお願いします…わっ!』





返事をすると、力強く抱きしめてくれた。



*

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作者名:澄架 | 作成日時:2021年3月7日 23時

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