SnowManの恋の色を貴方と～prologue～ (ページ3)

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raul

ｺﾝｺﾝ、ガチャ

静まり返った楽屋は苦しいほど居心地が悪かった。
みんなの目に輝きがなくなって、流れてくるTVの画面をぼーっと眺めるだけ。

そんな時、ドアが空いて顔を見せた"その人"を
僕はほんの少し嫌いになりそうだった。

「最後にみんなと話したくて」

くったくのない笑顔は何も変わってない。
そこにいるだけで空気を明るくするのも、
一瞬で人を虜にするその見た目も、何も変わってない。

…だからこそ、苦しいんだ。

「みんなは大きな夢を掴んでね。離れてもずっと応援してるから」

ねぇ、Aちゃん。
Aちゃんが居なくなっても、本当に俺達が大丈夫だって思ってる？

Aちゃんが居なくて、みんながまた夢を追いかけられると思ってる？

僕達は、SnowManは、10人で１つだったんじゃないの？

言いたい事はたくさんあった。
だけどその言葉を伝える事はできなかった。

「ラウ、センターとして胸張ってね」

ラ「…うん、Aちゃんは幸せになって…」

だって俺は、Aちゃんに何度も救われた。
辛くてもうダメだって思った時、いつだってそばにいてくれたのはAちゃんだった。

本気で怒って、本気でぶつかってきてくれたのもAちゃんだった。

そんな大好きな人が幸せになる事に、
何も言えるはずがなかった。

でもね、俺以外の他の8人が今何を思っているのか。
僕はわかってたんだ。

8人の思いを、ずっとそばで見てきたんだから。