. ページ8
『ごめんね、蓮くんの気持ちには答えられない。』
私がそう言うと、蓮くんは少し困った顔をして、
目「知ってたよ。知ってて、告白した。」
とぽつり、呟いた。
『蓮、くん…』
目「ごめん。俺、Aちゃんのこと困らせてるね。」
すっと蓮くんの手が伸びてきて、私の髪を耳にかける。交わった視線が熱い。
違うよ。
私の方が蓮くんのことを困らせてるし、傷つけてる。
蓮くんのこと、何日も待たせた。
「少しでいいから、俺のことも考えてほしい。」と言ってくれた蓮くんの優しさに甘えてた。
私が返事をしない間、不安だったよね。嫌な気持ちになったよね。
私はちっとも蓮くんの気持ちを考えてなかった。
出来ることなら、蓮くんとずっと友だちでいたい。
けど、それは返って蓮くんを傷つけることになる?
なんて返したらいいのか分からず、私は手の中に収まるコーヒーへと目線を逸らした。
目「ねえ、Aちゃん。これからもさ、友だちとして仲良くしようよ。」
『えっ…』
目「Aちゃんがよければ、ね?」
片方が恋愛感情を相手に抱いた時点でもう「友達」にはなりえない。
勇気を出して自分の気持ちを伝えて、その答えが「ごめんなさい」だった時。
想っている相手に「友だちとして仲良くしよう」と伝える側の気持ちを考えると、胸が痛む。なんて残酷な関係性なんだろう。
蓮くんは、辛くないの?
『蓮くんはいいの…?』
目「もちろん。俺にとってAちゃんが大切な人ってことに変わりないし。」
蓮くんは間髪入れずに、そう答えた。
私にとっても蓮くんは大切な人だ。
大切な友だちのひとり。
『今まで通り、お友だちとして仲良くしてください。』
目「うん。よろしくね。」
「なんか、改まって言うと変な感じ」と笑いながらコーヒーを口に運ぶ蓮くん。
頬を撫でる夜の風は冷たくて、もうすぐそこまで冬がやってきていることを肌で感じる。
目「しょっぴーがAちゃんのこと泣かせたりしたら一発殴りにいかなきゃなぁ。」
重たい空気を漂わせない蓮くんは、私よりずっと大人だ。
『ふふっ、私の友だちと同じこと言ってる。』
目「今度、Aちゃんの友達。紹介してよ。どんな子か知りたいなあ。俺と気が合いそうだし?」
『うん。約束。』
私たちはどちらからともなく、お互いの小指を絡めた。
2008人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小豆(プロフ) - TikTokさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました…! (2020年12月2日 4時) (レス) id: 8cc00cb2b2 (このIDを非表示/違反報告)
TikTok - ページ2から名前変換できなくて小豆ちゃんは本当にいい子だと思うになっています。直していただけると幸いです (2020年12月2日 3時) (レス) id: 6febd5b71e (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - みるきーさん» 初めまして!コメントありがとうございます。 私もようやく二人に平和な日々が訪れて安心しています…!どうぞこれからもよろしくお願い致します。 (2020年11月22日 13時) (レス) id: 702e6b81f5 (このIDを非表示/違反報告)
みるきー(プロフ) - 完結おめでとうございます。2人にようやく平和?な日々が訪れて安心しました。番外編も楽しみにしています! (2020年11月22日 3時) (レス) id: 3b9a27c99c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小豆 | 作成日時:2020年10月24日 4時