偶然は必然だと教えてください。3《青》

デート ページ6

今日は日曜日。
蓮くんとデートの約束をした日だ。

翔太さんにこのことを伝えるか、すごく迷った。
付き合う前に告白されてて、今からその返事をしに行きます。だなんて、私だったら気が気じゃないから。

けれど、黙って蓮くんのところに行くのも気が引けてしまって。私は正直に翔太さんに伝えた。

蓮くんから告白されていて、その返事が保留であること。日曜日に一緒に出掛けること。翔太さんと付き合っていることを伝えて、きっぱりごめんなさいとお断りをしようと思っていること。

最初は「そんなの、LINEかなんかで伝えればいい！」とぷんぷん怒っていた翔太さんだったけど、一番好きなのは翔太さんだけだよということを伝えると、満足そうな顔をして快く送り出してくれた。

そういう歳上なのにちょっと子供っぽくて、かわいいところが好きなんだよなあ。

マンションの前に停まる黒い車。

運転席の窓が開いて、中から蓮くんが手を振っているのが見える。

昼間は人目に着くから、日が落ちてから会おうと私から提案した。

　『免許持ってるの意外だったかも。』

目「言ってなかったっけ？こう見えてもちゃんと運転できるよ。」

蓮くんの運転は、車を運転する私からみても安全運転で、乗り心地がいい。


　『蓮くん運転上手だね。』

私がそういうと、

目「まあ、好きな人が隣に乗ってるからね安全運転するよ。」

と、私の方を見ながら言う蓮くん。

ほらまた、そうやって。
裏がない真っ直ぐな言葉を投げかけてくる。

視界の端っこでぐっと迫ってくる車体が見えた。

　『わっ、ちゃんと前見て！』

「ちょっとくらい大丈夫だよ」とクスクス笑いながら運転を続ける蓮くんの肩を軽く叩く。

嘘。
今、車間距離詰まってたじゃん。


車を走らせている最中、どこに向かっているのか蓮くんに聞いたけど「秘密」とはぐらかされてしまう。

目的地を知らないドライブはなんだかワクワクが止まらなくて、車内での会話も弾んだ。

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