偶然は必然だと教えてください。3《青》

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渡「話聞こえちゃったんすけど、代役立てればよくないですか？」

　『そんな…すぐに来れるお知り合いのモデルさん、いるんですか？』


すっと私の方に向かって指される翔太さんの人差し指。

渡「ここに。」


　『わ、私！！？』

渡「花邑さん綺麗だし、いけると思うんだけどな〜…今回女性のモデルさんの顔出しはなしですよね？」


ありえない、ありえない。
急に何言いだすの。

確かにモデルさんの出演は後ろ姿や手元のみだけど…！

翔太さんをキッと睨みつけると、何食わぬ顔で突っ立っている。

渡「俺忙しいからリスケしたら次いつ身体空くかな〜」

　『……っ、』

実際その通りだ。

翔太さんはテレビにラジオに雑誌に……毎日毎日これでもかというほど仕事を詰め込んでいる。

仕事以外にもボイトレやダンスの振り入れ、私の知らないところでも忙しそうにしている。

それに、オフの日は死んだように眠る翔太さんを見ているし、せっかくのオフならしっかりと身体を休めるために使ってもらいたい…というのが本心だ。


でも！こっちも仕事だし！？

　『…いえ、撮影時間も押しますし今回は……』

後輩男「あの！僕、大賛成です！！！」

　『は……ちょっと、』

後輩男「先輩綺麗だし、身長もありますし…絶対いけますよ！僕が編集長に電話してきます！」

バタバタとスタジオから出て行った後輩。


はあと深いため息をついて頭を抱える。


渡「ふは、できた後輩じゃん。」

　『…笑いごとじゃないですけど…？』

渡「とりあえず、こっち。」

スタジオでこんな立ち話してたら確かに目立つか……

私は大人しく翔太さんの後ろに着いていくことにした。

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