家事、お引き受けいたします。【白】

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ほっといてくださいって言われてもねぇ…


私はこれでお金もらってるわけだし
さすがに何もしないで帰るのは気が引ける。


うーん。


とりあえず、かろうじて家にあった
パンと卵でたまごサンドを作り冷蔵庫にしまった。


夜食とか朝ごはんにでも食べてくれればいいな、
なんて期待を込めて。


そして私は2階へと続く階段を
チラッと見てから家を出た。





今後の生活に不安を覚えながら。




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次に私がこの家に来たのは、2日後の水曜日のこと。


村上さんと交わしたのは、
月水金と日に来るという契約だった。





今日はここに来る前にスーパーに寄って、
食材や調味料を買った。


多分あの調子だと放っておけば毎日毎食コンビニ弁当。


さすがにそんな食生活を送らせるわけにはいかない。





それに、今日は真都くんの勉強を見る。


これが本日の目標だった。







｢あっ、真都くんおかえり。｣


ラ｢……はい。｣


｢今日さ、一緒に勉強しない？｣


ラ｢……え？｣


｢真都くん東大目指してるんだよね？
実は私も東大でね。家庭教師を…｢大丈夫です。｣







話を遮られてしっかり断られた。


本日の目標は達成不可能。


意外とダメージが大きくて、心が痛い。







ラ｢自分でやるんで、大丈夫です。｣







なんなんこの子。


普通に私のこと嫌ってる？


なんかすごい壁作られてるんだけど。


それによって、私もスイッチが入ってしまった。




そっちがその気なら
こっちだって言わせてもらうからね。







｢そうなのね。じゃあ勉強はひとりで頑張って。
でも、ご飯は食べてもらっていい？
真都くんに体調崩されると、私が困るんだよね。｣


ラ｢はい？｣


｢あなたのお母様に怒られるのは私なの。｣


ラ｢……｣


｢ご飯さえ食べてくれればもう何も言わないから。｣


ラ｢……わかった。｣







こんなんで良いはずがない、なんてこと分かっていた。


でも今は、死ぬほど分厚い壁を作ってきた
この思春期男子に何言っても無駄。





……てか、家事代行ってこんなにめんどくさいの？

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