家事、お引き受けいたします。【白】

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重｢……なぁ？聞いてんの？｣


｢えっ？なに？｣


重｢さっきからずっと呼んでんやけど。｣


｢ごめん、ぼーっとしてたわ。｣


重｢お前最近多いなぁ？卒業間近に悩み事か？｣


｢うるさいな。｣







なんなのもう。


気づいたら真都くんのこと考えてる。


家庭教師になってからずっとそうだったけど、
前とは違う。


勉強のことじゃない。







重｢話聞いてやろうか？｣


｢…あのさ｣


重｢お、なんやなんや。｣


｢……やっぱいいや。｣








男子高校生にドキドキしてるなんて言ったら
いくらシゲでも引くんじゃないかって思う。


だって、5歳差だよ？






重｢まぁAの悩みなんてラウールのことくらいやん。｣


｢え｣


重｢当たりやろ？｣


｢……｣


重｢告白された？｣






こいつ、メンタリストDAIKIでしょ。






重｢わっかりやすいなぁ？｣


｢でも告白っていうか…離れたくないって言われた。｣


重｢そんなん告白みたいなもんやろ。
あいつ、どっからどう見てもAのこと好きやし。｣


｢…そうなの？｣


重｢んで、そんなに悩んでるってことは
お前もラウールが好きなんやな。｣


｢……………は？｣







私が真都くんを好き？


いや、どこがどうなってそうなった？







重｢ちゃうんか？｣


｢違うよ！そんなわけないじゃん。｣


重｢じゃー悩むことないやろ。
そんなん気にせんで
お前は社会人、ラウールは大学生、でええやん。｣


｢それは…｣


重｢俺が言えんのはここまでやな！
あとは自分で考えろや。｣







シゲは少しからかうように歯を見せて笑った。







確かに、シゲの言う通りだった。


何も気にしなければいい。


あの告白だって本当に冗談だったと思っていればいい。





それができないのはどうして？





意識してしまうのは


真都くんが気になってしまうのは





私が彼を、好きだからなのだろうか。

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