家事、お引き受けいたします。【青】

044 ページ45

.
Aside





初めて聞いた元カノの話。




その時にできてしまったトラウマの話。




苦しそうに話すから、私まで苦しくなった。









だけど、｢アイツみたいに｣と言われて少しムカついた。




私は翔太くんの事を捨てたりなんてしない。




翔太くんしか愛せない。









｢もっと私のこと信じてほしい。｣









裏切らないから。大丈夫だから。




ずっとそばに居るから。









｢それに、もう前の翔太くんじゃないでしょ？｣




渡｢え…？｣




｢誰かに寄りかからなくても生きていけるじゃん。｣








翔太くんは素直じゃないし、口悪いし、5歳児みたいな言動ばっかりするけど、




優しくて、自分の芯を持っていて、頼りになる




そんな人。









｢だからもう、俺なんか、って言わないでください。｣









翔太くんは、私の自慢の彼氏だよ。




誰にも渡したくない。








渡｢あぁー……やばい。｣




｢泣いてる？｣




渡｢泣いてない。｣




｢泣いてますよね？｣




渡｢だから泣いてないって。｣




｢でもほら、ここに涙…………んっ、｣









頬に零れた涙を拭おうと腕を伸ばすと、翔太くんはその腕を掴んで自分の方へ引き寄せ




そのまま、唇を重ねた。







初めてのキスは、真昼間の遊園地。




少し恥ずかしかったけど、甘くて幸せな時間だった。








渡｢すっげー見られてる。｣




｢翔太くんのせいだよ。｣








もうしねぇわ、って耳を真っ赤にして言う翔太くんが可愛くて笑ったら怒られた。









翔太くん、これからもこうやって笑っていようね。




大好きだよ。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

5 years later……




渡｢A、結婚しよう。｣

epilogue→←043★

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す