家事、お引き受けいたします。【青】

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事務所を始めて2日目。




今日の私の仕事は渡辺さんの仕事探しから始まった。




……にしても、中途採用って少ないもんだなあ。




しかも渡辺さんの場合は大学は卒業してるけど、仕事をしていたわけじゃないから、採用条件に合わない会社が多い。




それでも、職種を選ばずに探したところ渡辺さんの条件に合う会社を10社見つけることができた。







……もうこんな時間か。




今日はこの後、利用者を増やすためにビラ配りをしようと思っていた。




とりあえず、見つけた10社のホームページを印刷してまとめ、渡辺さんに渡す用に封筒に入れた。






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｢家事代行利用してみませんかー。｣



｢洗濯、料理、掃除なんでもやります。いかがですかー。｣



｢今ならお安くなりますよー。｣







ビラ配りってこんなにメンタルやられるんだ。




全然受け取ってくれない。




めちゃくちゃ嫌な顔されるし。




普通にしんどい。




それでもなんとか、作った分は配り終わった。




♪♪〜




子どもに家に帰る時間を知らせる｢夕焼け小焼け｣が流れ始めた。




私も子どもを世話しに行く時間だ。




ビラ配りの疲れが残った身体で、渡辺さんの家へと向かった。






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｢こんにちはー。｣



渡｢ん、Aちゃん。｣








渡辺さんは今日も部屋着のまま家から一歩も出ずに過ごしたのだろうか。




冷蔵庫を確認すると、昨日作った朝ごはんとお昼ごはんはなくなっていた。




だけど、流しには食器が積み重なっている。




洗濯物もカゴには入っていたが、ズボンやTシャツは脱ぎっぱなしで裏返し状態だった。




うん。言われたことはやるタイプね。








｢渡辺さん、お腹すいてますか？｣




渡｢すいてる！Aちゃんの飯待ってたんだよ！｣




｢じゃあ今日は肉じゃが作りますね。｣




渡｢うわ！いいね〜！｣








不覚にも可愛いと思ってしまった。

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