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種目が全て終わり、市大会は幕を閉じた。
最後に岩本先輩と顧問から話があって
一応全体としては解散。
私は苺花先輩に呼ばれ、
今日のリレーの反省をすると言われた。
そちらに向かうとメンバーの他の先輩もいて、
2人で話している。
私たちが来たのに気づくと笑顔になって、
「反省会だ!」と明るく言ってくれた。
どうしてこんなに明るく振舞ってくれるの。
私のせいで負けたのに。
苺「やっぱもっとバトンパス速くなりそうだよね。」
『そうだよね〜。
あと私のスタートダッシュも
あんまし良くなかったから練習するわ!』
誰も私のせいにはしない。
先輩たちのその気遣いが、かえって私には苦しくて
涙が溢れ出てきた。
「…違いますっ…っ!
先輩たちは悪くないです…!
私がっ…私が全然走れなかったから…っ」
私を責めてください。
「お前のせいだ」って言ってください。
「お前がいなければ」って…………言って……
苺「A…」
『でも県大会は行けるんだから!
ね?次頑張ろうよ!』
『そうだよ!練習みたいに走れれば
全国だって夢じゃないって言われたでしょ?』
次……
「次は……ないです…」
『え?』
「私じゃない方がいいに決まってるじゃないですか!
もう、これ以上迷惑かけられません……っ!」
苺「A?そんなこと言わないで?
私たちはAと走りたいよ?」
「無理です!また同じようになったら……」
今度こそその後の大会に進めなくなる。
次は頑張ろうでは済まされなくなる。
私は走るべきではない。
岩「ごめん、ちょっと吉田借りていい?」
肩に何かが触れる感覚がして、
後ろを振り向くと岩本先輩がいた。
苺「よろしく頼んだよ、部長。」
岩「おう。」
岩本先輩は私が辛い時にいつも現れる。
まるで、正義の味方
そう。ヒーローみたいに。
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作者名:ひなの | 作成日時:2021年7月22日 21時