恋セヨオトメ【黄】 (ページ19)

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気づけばリレーは終わっていて、
私は出入口から客席に続く階段に座っていた。

席の方から歓声が聞こえるけど、
動く気力もない。

頭も働かない。

私のせいだ。

私がいなければ、1位が取れたのに。

苺｢A……？男子のリレー見ない？｣

｢あぁ…そうですね…｣

タオルを首にかけた苺花先輩が
少し困ったような顔で私に話しかけてきた。

女子は全組終わっているなんて、
相当時間が経っていたみたい。

私はゆっくりと腰を上げて、
苺花先輩についていった。

私が客席に戻ると、
一瞬場の空気が変わったような気がした。

そりゃそうだ。

私のせいで立野学園に差をつけられて
2位だったんだから。

『あっ！うちの学校次じゃない！？』

『ほんとだ！みんないる！』

でも0.5秒後には何事も無かったかのように
みんなグラウンドの方を向いて

男子に応援の声をかけている。

私はただそちらを見ていることしかできなかった。

パァンッ!!!!

男子のリレーがスタートした。

さすがは全国大会常連の雪高リレー。

どんどん他の学校を抜かしていく。

アンカーの岩本先輩にバトンが渡った時、
もうすでに私たちの学校は1位になっていて

岩本先輩はその差を広げてゴールした。

盛り上がる応援席にいる負のオーラ満載の私は
なんだか場違いなようだった。

一緒に盛り上がるのが当たり前なんだろうけど、
今の私には到底無理。

自分の無力さを改めて感じて
涙がこぼれそうになるだけだった。

県大会のリレーは私じゃダメだ。

私じゃ、負ける。

お願いだからもうこれ以上私に期待しないで。