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岩｢練習もいったん最後か。｣
苺｢いやぁーめっちゃ成長したね！A！｣
｢おふたりのおかげです、ほんとに。｣
市大会はついに明日となった。
今日も学校での練習の後、一回家に帰って
あの川沿いに集合。
いつも通りだ。
岩｢緊張してる？｣
｢うーん。なんか実感ないっていうか…｣
苺｢分かるわぁ！
私も全然明日が大会って感じしないもん。｣
岩｢お前それいつも言ってるよな？｣
苺｢いつも思うの！！｣
今は緊張していない。
だけど、多分明日になったら
心臓がおかしくなるくらい緊張すると思う。
上手く走れるかも心配だ。
岩｢でもこの短期間でよくここまで仕上げたよな。｣
｢だからほんとにおふたりのおかげなんですって！｣
岩｢大したこと教えてねーよ？｣
苺｢ていうか私たちも自分の練習してただけだよね。｣
｢とにかく！今日までありがとうございました！｣
岩｢それは本番が終わってから言って？｣
｢あぁ…！はい！｣
確かにリレーのメンバーが発表されてから今日まで
かなり短い期間だった。
だけど、少しずつ少しずつタイムが
縮まっていったのは
どう考えてもふたりが一緒に練習してくれたからだ。
苺｢明日、頑張ろうね！｣
｢頑張りましょう。｣
苺｢あ、でも！まずは個人だね！
3人とも余裕で突破しようね！｣
岩｢だな。｣
｢はい！｣
リレーのおかげで個人の100mでも
この間自己ベストのタイムが出た。
このままいけば、市大会は突破できそうだ。
苺｢リレーは…1位目指すのはもちろんだけど、
とりあえず…とりあえずは県大会に進むために
3位までに入ろう。｣
｢ですね。絶対県行きます。｣
行かなきゃいけないんだ。
私が、私が足を引っ張らなければ県大会に進める。
リレーは私にかかっている。
岩｢最後3人で走るか。｣
苺｢あの横断歩道のとこまでね！
はいいくよ、よーいスタート！！！！｣
｢えっちょっ！！！！！｣
岩｢それはずるすぎだろ。｣
私の陸上人生において忘れることのできない
高2の夏の大会が
ついに明日、幕を開ける。
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作者名：ひなの
| 作成日時：2021年7月22日 21時
