家事、お引き受けいたします。【橙】

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あの日から一週間。


私はまた、社長に呼ばれた。







夏｢瀬尾さん、やりすぎちゃったんですね〜｣


｢…え？｣


夏｢向井さん、瀬尾さんに担当してもらいたいって。｣


｢えぇ……そうなんですか…？｣







初めて聞いたかのように、驚いたフリをする。


でも少しだけ本心で驚いた。


本当に言ってくれたんだって思って。







夏｢まぁ、指名入っちゃったから、向井さんを瀬尾さんにお願いして、担当予定だった彼女には瀬尾さんが担当してる方をお願いすることにします。｣


｢分かりました。｣


夏｢引き継ぎお願いしますね。｣







また向井さんに会える。


そう思ったら、意図せず口角があがりそうになった。





次は何を作ろうかな。


向井さんの好きな食べ物ってなんだろう。


今度会った時に聞いてみよう。


あーあ、楽しみだな。






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光｢なに、いいことあったの？｣


｢えっ、？なんで？｣


光｢なんとなく？
なんか楽しそうじゃねって思った。｣







少しビクリとした。


いつも私のことなんて見てないのに
こういう時だけ変な勘働かせないでよ。





この人は夫の光輝。


こうやって2人でご飯を食べるのなんて
いつぶりだろう。






｢別になんもないよ。｣


光｢あっそ。
あ、ねぇ。この春巻きの皮、もーちょい
パリパリにした方が美味いと思うわ。｣


｢…わかった。｣







何様なの。


じゃあ自分で作ればいいじゃん。





……………………向井さんなら。


あの子なら、そんなこと言わない。


私の料理を美味しそうに食べてくれる、絶対。

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