家事、お引き受けいたします。【桃】

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｢ただいまー｣


颯｢おかえり！｣








家に帰ると、颯太が迎えてくれた。


私より先に帰ってくることはあまりないから珍しい。







｢今日早かったの？｣


颯｢うん！商談が予定よりかなり早く終わったんだよ。
だから今日は2人で家出ゆっくりできるなって
思って急いで帰ってきた！｣


｢そしたら私より早くなっちゃったんだ。｣


颯｢でもほら見て！久々に料理しちゃった〜
まぁAのには敵わないけどね！｣


｢えー、本当に久々だね。嬉しい。｣


颯｢早く着替えてきてよ！一緒に食べよ！｣







颯太は笑顔でそう言ってキッチンに戻った。


慣れた手つきでサラダを取り分けている。





彼は私の彼氏だ。


付き合って二年が経つ。


友人の紹介で彼と出会った頃、私はまだ大介に未練があって、新しい恋愛をする気なんて全くなかった。





だけど、颯太は私のことを好きになってくれた。


私を苦しめている荷物を
持ってあげたいと言ってくれた。


私は、その純粋な気持ちに甘えたの。







颯｢どう？美味しい？｣


｢うん。すごく美味しい。｣


颯｢結婚したら俺ももっと料理上手くなるわ。｣


｢私が作るからいいのに(笑)｣


颯｢一緒に作りたいじゃん？｣


｢ふふ。そうだね。｣







私たちは半年後、結婚する。


私は仕事を辞めて、専業主婦になる。





どん底にいた私に手を差し伸べてくれた颯太は
いつもすごく優しくて、本当に素敵な人。


彼の優しさに私は救われた。


彼のおかげで、大介のいない生活に
楽しさを見出すことができた。





だからね、もう、忘れなきゃいけないの。


新しい人生が始める前に


ここでケジメをつけるんだよ。

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